2010 Fiscal Year Annual Research Report
溶融分散冷却法での芯材滴離脱・合一の速度論的解析と高含有単核マイクロカプセル調製
Project/Area Number |
22560757
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田口 佳成 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30293202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 眞人 新潟大学, 自然科学系, 自然科学系フェロー (40018495)
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Keywords | マイクロカプセル / 複合材料・物性 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
平成22年度に実施した研究の実績概要は以下のとおりである。 まず,芯材滴/壁材のW/O型分散系および芯材滴/壁材滴/連続相のW/O/W型複エマルション系における各液滴の分散挙動の,界面科学的,流体力学的検討を実施した。この際,壁材として,溶融分散冷却法でのマイクロカプセル化への展開を考慮して,脂肪酸類およびパラフィン系炭化水素類を採用した。その結果,芯材滴/壁材および芯材滴/壁材滴/連続相の分散系において,異なる界面活性剤および壁材種を用いて,ゼータ電位,界面張力,粘度等が,各液滴の合一・分裂挙動ならびに芯材滴の漏洩率に及ぼす影響を明らかにした。特に,粘度については終末速度式により評価可能であることが示唆された。このような各液滴の分散挙動は,複エマルション系を利用したマイクロカプセル化過程における各液滴間の合一や離脱などの挙動を検討するうえで重要な基礎的知見である。 次に,この知見をもとに,マイクロカプセル化を試みた。具体的には,溶融分散冷却法において,冷却速度および分散相粘度等を変化させることで,芯材滴の離脱を抑制し,含有率の高いマイクロカプセルの調製が可能となった。 以上の知見は,マイクロカプセル化過程とともに刻々と変化する各液滴の分散挙動をもとにマイクロカプセルの構造制御(単核化など)やさらなる高含有化を検討するためにきわめて重要な知見である。これらの構造制御および高含有化の検討は平成23年度実施する予定である。
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