2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞表層ストレスを感知する細菌外膜リポタンパク質による二成分制御系の活性化機構
Project/Area Number |
22570001
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
原 弘志 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00173071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 幸次 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (00119140)
松岡 聡 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (90509283)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞表層ストレス / 細菌リポタンパク質 / 二成分制御系 / 機能ドメイン構造 / タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
Rcs二成分制御系は,細胞質膜(内膜)のヒスチジンキナーゼRcsCから細胞質のレスポンスレギュレーターRcsBへのリン酸転移を,内膜のホスフォトランスミッターRcsDが仲介するリン酸リレーシグナル伝達系で,環境から細胞表層に加わるストレスに応答して活性化する.活性化には外膜リポタンパク質RcsFが必須で,この外膜タンパク質が環境ストレスを感知し,内膜貫通タンパク質であるRcsC・Dに情報を伝達すると考えられる.RcsFのN末端近くのプロリン残基を多く含む領域(PRR [proline-rich region])が機能制御に重要な働きをしていることを明らかにしてきた.また,RcsFのC末端部分の欠失実験から,C末端付近にRcsC・Dへの情報伝達ドメインがあると考えている.その中の4つのシステイン残基をさまざまな組合せでセリンに置換する実験によって,ドメイン内のジスルフィド結合が情報伝達機能に重要であることを示す結果を得てきた.一方,RcsCのペリプラズム領域には,RcsFからの情報を受け取るドメインがあると考えられる.このペリプラズム領域のみをペリプラズムタンパク質であるMBP(maltose-biding protein)に融合させ,ペリプラズムに遊離したタンパク質とすると,RcsFによるRcs系活性化の働きをtitrate outできることが明らかになった. このことは,RcsCのペリプラズム領域がRcsFと相互作用していることを示唆していると考えられる.Fcs系の情報伝達の機構をタンパク質の構造-機能相関に基づいて理解を進めることは,細菌の環境ストレス応答機構の分子レベルの検討に寄与するだけでなく,腸内細菌の病原性やバイオフィルム形成へのRcs系の関与が知られていることから,将来的には細菌感染への対策にもつながりうると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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