2010 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌胞子形成過程における二量体リボソームの形成と分解の制御機構
Project/Area Number |
22570005
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
河村 富士夫 立教大学, 理学部, 教授 (10126039)
|
Keywords | 枯草菌 / rRNAオペロン / リボソーム / 抗生物質耐性 |
Research Abstract |
1.リボソーム二量体化に必須なyvyD遺伝子の転写制御 アミノ酸飢餓等の緊縮応答時に不活性化された70SリボソームがYvyDタンパク質によりダイマーリボソームを形成することを見出した。これらのリボソームの不活化と二量体化は、胞子形成期の初期の細胞や非胞子形成培地で培養した時に定常期の細胞でも観察された。不活化された70Sリボソームのダイマー形成に必須であるyvyD遺伝子は、シグマBとシグマHにより認識される二つのプロモーターを持っているが、緊縮応答時と胞子形成期の細胞ではもっぱらシグマHのプロモーターから転写される。一方、LB培地のような非胞子形成培地で培養した定常期の細胞ではシグマBとシグマHの両方のプロモーターからの転写が認められた。しかしながら、シグマHとシグマBの両破壊株では両プロモーターの間から新たな転写が開始されることを見出した。今後このプロモーターを認識するシグマ因子を同定する。 2.rRNA遺伝子の新規突然変異株の単離の試み 枯草菌にはrRNAオペロンが10個存在しているため、rRNA遺伝子の突然変異株を単離することは非常に困難であった。しかし、我々は最近構築した1コピーのrRNAオペロンのみを持つrRNAオペロン多重欠失変異株を利用して、rRNA遺伝子の突然変異株の単離を試みた。選択マーカーとして16SrRNA遺伝子にはストレプトマイシン耐性変異str-6を、23SrRNs遺伝子にはエリスロマイシン耐性変異ery-7を利用した。その結果、16SrRNA遺伝子からは、Ts遠位株が、そして23SrRNA遺伝子からはSpo-変異株を得ることができた。
|