2010 Fiscal Year Annual Research Report
緑藻クレブソルミディウムのペルオキシソームと微小管のGFPによる可視化
Project/Area Number |
22570060
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
箸本 春樹 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (90134410)
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Keywords | クレブソルミディウム / GFP / 微小管 / ペルオキシソーム / マイクロボディ / パーティクルボンバードメント / 電気穿孔法 / 細胞周期 |
Research Abstract |
緑藻クレブソルミディウムのペルオキシソームと微小管の細胞周期における動態をGFP等によって可視化して明らかにすることが本研究の目的である. 初年度の計画は,クレブソルミディウム細胞にgfp融合遺伝子を導入する方法としてパーティクルーボンバードメント法を試み,その条件を見つけることであった,パーティクルーボンバードメント法に用いる金粒子のサイズ,金粒子を撃ち込む際の圧力,マクロキャリアから試料までの距離これら3つの変数の組み合わせについて検討した.しかし,これまでのところ,ほとんどの組み合わせについて行ったが,GFPが発現していると思われる細胞は3例,そのうち明らかに発現していると判断できたのは1例のみであった.発現レベルが低いために,gfp融合遺伝子が導入されていたにもかかわらず識別できなかった可能性もある.しかし,形質転換細胞がわずかであったとはいえ,この結果は,クレブソルミディウムで形質転換が可能であることを示しており,一定の成果であったと言える.2年目の23年度では,発現強度の高い形質転換体を得るために,プロモーターを改変したgfp融合遺伝子を用いてパーティクルーボンバードメント法を再度試みる.また,電気穿孔法による形質転換も行う.この方法に必要なクレブソルミディウム細胞のプロトプラストは,22年度中に,高い効率で得られることを確かめており,実験の準備がすでに整っている.また,GFPによる可視化による観察の信頼性を高めるために,蛍光抗体法による可視化も並行して行うことが必要と考え,22年度では蛍光抗体法による微小管の可視化も行い,細胞周期における微小管の動態を明らかにし,終期において微小管が分裂面に垂直に太い束を形成することなど新知見が得られた.終期の微小管の太い束は娘核の移動とペルオキシソームの分裂・分配において機能していることが示唆された.
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