2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヌタウナギ類における生殖腺の機能分化と内分泌系による制御機構の理解
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22570061
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
内田 勝久 宮崎大学, 農学部, 准教授 (50360508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 俊介 北里大学, 水産学部, 教授 (50222352)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生殖内分泌 / 下垂体 / ホルモン / ヌタウナギ / 生理学 / 繁殖 / 遺伝子工学 / 進化 |
Research Abstract |
顎を持つ脊椎動物(顎口類)においては、下垂体から分泌された生殖腺刺激ホルモン(GTH)が生殖腺に作用し、様々な性ステロイドホルモンの合成・分泌を促進し、配偶子の形成や成熟を伴う生殖腺の分化といった生殖腺機能が発現する。顎を持たない原始的な動物であるヌタウナギ類は、現存する最古の脊椎動物である。これまでの成果で、クロヌタウナギの下垂体からGTHを単離し、この動物の生殖内分泌現象の一端を明らかにしてきた。H24年度は、天然型GTHならびに組換え型GTHを、生殖腺を用いた器官培養実験系に供し、配偶子の形成過程や生殖腺機能マーカーに及ぼす効果を調べた。 前年度の成果により、ヌタウナギ類の生殖殖腺で発現する性ステロイド変換酵素が得られた。本年度は、下垂体から天然型GTHを単離するとともに、組換え型GTHを作出した。次に、これらのGTHが性ステロイドの分泌や合成系にどの様な効果を及ぼすのかを、器官培養系を用いて解析した。具体的には、天然型と組換え型GTHを精巣組織と培養し、性ステロイドの分泌と性ステロイド変換酵素の遺伝子発現量を定量し、評価した。その結果、天然型・組換え型GTHともに、精巣からのエストロゲンとテストステロンの分泌を促進し、性ステロイド変換酵素の遺伝子発現を促進させた。このことは、ヌタウナギの下垂体GTHが直接的に生殖腺機能を制御する因子であることを強く示唆している。また、顎をもつ脊椎動物と同様に、原始的な脊椎動物・無顎類においても、下垂体-生殖腺機能軸が存在することを示唆している。 生物活性を有する組換え型GTHを構築できたことで、今後、ホルモン分子を長期にわたり連続的に個体に投与し、配偶子の最終成熟や繁殖行動を人為的に誘起させたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)