2011 Fiscal Year Annual Research Report
データベースを有効活用した学習型NMRシグナル自動解析システムの開発
Project/Area Number |
22570116
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 直宏 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員 (80272160)
|
Keywords | NMR / シグナル / 帰属 / 自動化 / データベース / GPU / 学習型 / 最適化 |
Research Abstract |
タンパク質の核磁気共鳴(NMR)シグナル解析データは3次元構造に関する情報に加え、リガンド相互作用、動的ゆらぎ状態など創薬に関する重要な情報を与える。平成22年度において開発を完了した以下のプログラム群NMRシグナル解析を全自動化する以下のプログラム群をすでに開発している: 1.ホモロジーモデリングを統合的に実行するmodel_robot 2.化学シフトの推定プログラムの出力を統合するプログラム、shift_robot 3.磁化移動グラフを自動構築するgraph_robot すでに導入した高性能GPU演算ユニットを搭載したマルチコアワークステーションを用いて平成23年度においてはこれらの高度な最適化計算をアニーリング法(焼きなまし法)による連鎖帰属ルーチンの開発し、annealrobotとして完成搭載させた。またgraph_robotはアルゴリズム、データ構造ともに大幅な再開発を行い、より複雑なデータ構造を持つNMR実験についても演算処理することが可能となった。 平成24年度においてはこれらのプログラム群を研究グループ内でのサーバ/クライアントシステムとして構築し、学習型の自動化プログラムとして機能させるための小規模データベースを組み込んだシステムとして統合化する。また自動帰属プログラムは公開用サーバーとしての運用を考慮して開発し、本年度中にプロトタイプの完成をめざす。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シグナル帰属を自動化することを当初の目的としていたが、ニューラルネットによるシグナル自動認識の開発、GPU演算ユニットの効率的な利用は予想より高い効果を得られなかった。これは生体高分子のためのNMRデータの構造自体が複雑であり、演算用に単純記述することを困難にしていることが昨年度の研究により明確になった。しかしながらgraph_robotが持つ磁化移動グラフを記述するコードを大幅に変更し、新しいアルゴリズムとデータ構造を持つよう再開発したことにより、多種多様なNMR実験をサポートすることが可能となった。 その他の計画についてはおおむね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究ではNMRシグナルの自動帰属の高度化を目標としている。NMR実験データが本来有する複雑性を克服しながら学習機能を持たせるためには既存のデータを参照させることが有効と思われる。すなわち小規模なデータベースを構築しながらそれを逐次参照でき、外部の研究者ともそれらの部分データベースを交換したりすることでより柔軟に複雑な最適化問題を自動解決する手法に結実できるものと考えている。従って、本年度においてはデータベース搭載型解析サーバーを開発し、試験的にNMR実験者に利用させていきたい。
|
-
[Journal Article] Solution structure of the splicing factor motif of the human Prp18 protein2012
Author(s)
FaHu He, Makoto Inoue, Takanori Kigawa, Mari Takahashi, Kanako Kuwasako, Kengo Tsuda, Naohiro Kobayashi, Takako Terada, Mikako Shirouzu, Peter, Guntert, Shigeyuki Yokoyama, and Yutaka Muto
-
Journal Title
Proteins
Volume: 80巻
Pages: 968-974
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-