2010 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞表面に発現した分枝型O-グリカンによる宿主免疫逃避機構の解明
Project/Area Number |
22570131
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
坪井 滋 弘前大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (20526727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 力 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80282135)
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Keywords | 糖鎖生物学 / 癌転移 / 免疫 / 膀胱癌 / NK細胞 |
Research Abstract |
研究目的:癌細胞表面にコア2O-グリカンと呼ばれる糖鎖が発現すると、癌は宿主の免疫細胞から逃避し悪性化する。本研究は、コア2O-グリカンの高発現した癌細胞が、どのようにして免疫細胞から逃避しているのかを明らかにすることを目的とする。 研究計画:コア2O-グリカンを発現していない膀胱癌細胞KK-47と、KK-47にコア2O-グリカンを発現させた細胞KK-47-C2を用い、両者の比較を行う。 今年度に得られた研究結果: (1)KK-47-C2細胞表面のNK細胞活性化レセプターのリガンド、MHC Class I-related chain A(MICA)、及び、ムチン1(MUC1)が、コア2O-グリカンのキャリアー分子であることが分かった。 (2)KK-47-C2の方が、KK-47よりも細胞外基質に対する接着能が低いことを明らかにした。 (3)KK-47-C2の方が、KK-47よりもself-aggregateを形成する能力が低いことが分かった。 (4)KK-47-C2の方が、KK-47よりも細胞障害性タンパク質、TRAILに対する抵抗性が高いことが分かった。 研究成果:上記の結果より、コア2O-グリカンを発現する癌細胞の方が、発現していない癌細胞よりも細胞塊をつくりにくい性質をもち、コア2O-グリカンによって細胞間相互作用が弱められていることがわかった。また、宿主による攻撃から逃れる性質が強いことがわかった。現在、これらの性質が癌の転移しやすさに係っているかどうかについて検討している。
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[Journal Article] Invadopodia formation by bladder tumor cells2010
Author(s)
Sutoh, M., Hashimoto, Y.,Yoneyama, T.,Yamamoto, H., Hatakeyama, S., Koie, T.,Okamoto, A., Yamaya, K., Saitoh, H.,Funyu, T., Nakamura, T., Sato, T.,Ohyama, C. and Tsuboi, S.
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Journal Title
Oncology Research
Volume: 19
Pages: 85-92
DOI
Peer Reviewed
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