2012 Fiscal Year Annual Research Report
パターン認識分子Hーフィコリンの自然免疫における役割
Project/Area Number |
22570144
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 雄一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20117427)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 免疫学 / 生体分子 / 蛋白質 / レクチン / 補体 |
Research Abstract |
補体活性化経路の1つである「レクチン経路」は、自然免疫に働く生体防御機構と考えられている。フィコリン(ficolin, FCN/Fcn)は、レクチン経路においてパターン認識分子として働くことが示されてきたが、その真の生理的役割は不明である。本研究では、フィコリンのなかでも、ヒトなど霊長類にのみに見られるH-フィコリン(H-FCN)の生理的役割とその作用機序の解明を目的としている。 リコンビナントH-FCNの解析から以下のことが明らかになった。1、H-FCNの重合体構造の形成にはN型糖鎖の付加が必須であり、H-FCNの重合体構造はH-FCNの機能(レクチン活性や補体活性化)の発現に不可欠であった。2、ヒトとげっ歯類双方に存在するフィコリンが、多くの種類の細菌、菌類およびそのLPSを認識できたのに対し、霊長類にのみ存在するH-FCNはごく限られた細菌(A.viridansなど)のみを認識した。この結果は、H-FCNが感染防御以外の生理作用をもつことを示唆している。次に、in vivo発現法(トランスポゾンに組み込んだH-FCNcDNAとトランスポサーゼベクターを尾静脈からco-transfectする方法)でフィコリン欠損マウス内に発現させたH-FCNの解析から以下のことが明らかになった。3、H-FCNは、ヒトの場合と同様に、マウス血中においても、セリンプロテアーゼMASP-2およびその短縮型蛋白sMAPと複合体を形成し、補体C4, C3の活性化した。4、H-FCNのin vivo発現法は、フィコリン欠損マウス血清中に天然のものと同等のH-FCNを長時間にわたり発現でき、この方法はH-FCN発現マウスの表現型解析に有用と考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|