2012 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンの増幅・転移が遺伝子発現ネットワークを進化させた可能性を探る
Project/Area Number |
22570212
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
彦坂 暁 広島大学, 総合科学研究科, 助教 (30263635)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 明 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50112157)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | トランスポゾン / 進化 / 遺伝子発現調節 / ツメガエル / ゲノム |
Research Abstract |
[目的]DNA型トランスポゾンは同じホスト内で長期間転移活性を保って存続するのは難しいと一般に考えられてきた。ところが我々はツメガエルのMITE型トランスポゾンファミリーT2-MITEのいくつかのサブファミリーが数千万年以上もの長期間、活性を保ってきたらしいことを発見した。本研究では「これらのMITEsが転移・増幅によって遺伝子発現ネットワークの進化を促し、ホストに利益をもたらしてきたために自然選択により保存されてきた」という仮説を検証する。[計画]昨年度はT2-MITEを検索・分類する新たな手法を開発し、ニシツメガエルゲノムにおいて新規のものを含むT2-MITEのサブファミリーの分類・同定を行なった。本年度はその成果にもとづき、T2-MITEが5’上流領域に挿入された遺伝子の発現調節の解析を行なう事を計画した。[成果]昨年度に続き、T2-MITEを含むプロモータ領域のPCRによる単離、塩基配列の解析、ベクターの構築等を進めてきた。ところがその過程で、これまで公開されていなかったアフリカツメガエルのゲノム情報がopenになるという新たな状況が生じた。この事態を受け、計画をより練られたものにするために、アフリカツメガエルゲノムにおいてもトランスポゾンの分類・同定、転移活性の推定、ゲノム上の分布様式等を調べる必要に迫られた。そこで新たな解析手法の開発も行ないつつ、アフリカツメガエルゲノムを用いてこれらの解析を行ない、ニシツメガエルとの比較解析も行なった。その結果、アフリカツメガエルにおいても長期間活性を保っているT2-MITEが存在すること、しかしその構成はニシツメガエルと異なる部分も多い事が示唆された。この成果はツメガエル属におけるトランスポゾンと宿主の長期的な共進化を解析していく上で基礎となる成果である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|