2012 Fiscal Year Annual Research Report
機能性身体症候群における精神生理学的評価と心理的評価を用いた病態の検討
Project/Area Number |
22570228
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
神原 憲治 関西医科大学, 医学部, 講師 (90440990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 幹彦 関西医科大学, 医学部, 教授 (90257949)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 機能性身体症候群 / functional somatic / 心身症 / ストレス / 心身相関 / 病態 / 自律訓練法 / 多軸評価 |
Research Abstract |
身体症状を呈するが、その主観的な訴えと医学的・器質的評価との間に乖離が大きい一連の疾患群は、Functional somatic syndrome (FSS; 機能性身体症候群)と呼ばれ、心身両面にわたる問題から、その病態と対応方法の検討が求められている。本研究では、ストレスに対する自律神経系機能に関連する指標の反応をみる「精神生理学的ストレスプロファイル」のFSSにおける特徴を検討し、心理テストを用いた心理的評価と併せた病態仮説の構築と、それに基づいたアプローチの提唱を目的とした。 前年度に引き続き、FSS患者を対象に、ストレスプロファイルの測定、心理テスト及び主観的感覚についての評点、半構造化面接を行った。本年度は患者群31例であった。また、自律神経機能に関連する生化学的指標で、比較的即時的な応答が見込まれる指標として、昨年度から唾液アミラーゼの測定を行ってきた。本年度は介入への反応から病態評価を行うため、本疾患群への適応が想定される自律訓練法との関連を検討した。 以上から、本年度に明らかになったことは以下の通りである。(1)FSSにおける精神生理学的指標のメンタルワークストレスに対する反応には少なくとも3つのクラスターが存在し、それぞれに特徴がみられる。ストレス低反応群では気分の異常が示唆され、循環器系反応の高い群では不安の関与が示唆された。(2)唾液アミラーゼは自律訓練法によって低下の傾向がみられ、特に交感神経反応の高い患者群においては、自律訓練法が有効な可能性がある。 このうち(1)については論文作成を行い現在印刷中である。(2)については結果の詳細を解析中で、来年度に論文作成の予定である。FSSの病態には自律神経機能、心理評価などいつくかの軸に基づいた多軸評価が有用であり、従来の疾患分類によらない評価に基づいたアプローチの検討も重要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)