2010 Fiscal Year Annual Research Report
高度光環境制御下における各種園芸作物の幼植物体の動態に関する研究
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22580028
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 直也 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (80251023)
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Keywords | ペチュニア / 遺伝子の網羅的解析 / ELF様遺伝子 / サイトカイニン / ジベレリン / 花成誘導 / 光質 / 発光ダイオード |
Research Abstract |
(1)各種光質条件下で栽培した実生植物体の生育初期段階に発現している遺伝子群の網羅的解析 これまでの研究において判明している、花成や生長に影響を与える光環境条件下において発現している遺伝子をについて、代表的長日植物であるペチュニアに対する、長日条件下での初期成育時に関する光質の影響を評価した。 インキュベータ内において、各種光条件下で播種ならびに一定期間栽培を行い、植物体を採取した。光質の条件としては、各種光レセプターを対象とした光条件に関して青色光(フォトトロピン、クリプトクロム)、赤色光(フィトクロム)を設定し、いずれの光質条件もLEDを光源とした照射を行った。採取したサンプルについては、次世代シーケンサーにより生長点付近で発現している遺伝子群を同定した。この結果、いずれの光条件においても、複数の花成誘導遺伝子が発現していることをペチュニアで確認したとともに、ELF様遺伝子など、青色光下等特定の光条件で発現が増大する遺伝子群と、赤色光下で増大するSLFなどの遺伝子群の同定に成功した。 (2)各光質下において栽培している幼植物体の生理的動態把握 形態的ならびに生理的変化が顕著である光条件下で,その環境下において顕著に発現した遺伝子群中、1)各種植物ホルモンと2)花成誘導遺伝子に関連すると考えられる候補遺伝子群について、生育段階別にその動態を把握した。なお,サンプル育成時の光条件については(1)と同様とした,この結果、ペチュニアにおけるFT様遺伝子に関して、いずれの光質下においても、サイトカイニンによる花成誘導効果と考えられる増加が確認された。また、ジベレリン生合成遺伝子群中、GA20位酸化酵素遺伝子の発現に光質の影響が顕著に見られることが示された。
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