2010 Fiscal Year Annual Research Report
タバコモザイクウイルス抵抗性遺伝子の転写調節と過敏感応答誘導機構の解明
Project/Area Number |
22580046
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
丹生谷 博 東京農工大学, 学術研究支援総合センター, 教授 (60135936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 信光 東京農工大学, 学術研究支援総合センター, 助教 (70431971)
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Keywords | タバコ / ウイルス / 植物 / 植物病 / 転写活性化 / 転写因子 / エリシター / 抵抗性遺伝子 |
Research Abstract |
タバコモザイクウイルス(TMV)に対する抵抗性遺伝子(N)を有するタバコにおいては,感染時にウイルス複製酵素の一部(p50)がエリシターとして認識され,N遺伝子の転写増強が起こり,過敏感応答(HR)が誘導される。申請者らは,N遺伝子のエンハンサー配列(20bp)に含まれる2個のDOF結合モチーフ(AAAG)に着目し,これらに変異を導入した配列と野生型配列をレポーター遺伝子(GFP)に接続して,エリシターとなるp50,Nタンパク質及びDofタンパク質の転写活性可能を評価した。その結果,DOFの一種であるBBF1は単独でも転写活性化を起こすが,p50やNタンパク質と相乗的に働くことが明らかになった。 BBF1と標的DNAの相互作用をin vitroで調べるために,エンハンサー配列を含む放射能標識したDNA断片をプローブとして,ゲルシフトアッセイやサウスウエスタン法を用いて結合能を解析した結果,野生型及び一部の変異型配列が結合能を有することが判明し,非放射性プローブによる競合実験により,シフトバンドの特異性を確認することができた。また,BBF1以外のタバコDOFタンパク質であるBBF2及びBBF3の完全長ORFを含むcDNAのクローニングに成功したので,これらの組換えタンパク質を作製し,BBF1と同様にゲルシフトアッセイを実施することが可能となった。さらに,in vivoでN遺伝子上流のシス配列と相互作用している転写因子の実体を明らかにして,これらBBFタンパク質とin vivoで相互作用している新規タンパク質の同定についての新しい研究を展開できる段階に達した。
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