2012 Fiscal Year Annual Research Report
タバコモザイクウイルス抵抗性遺伝子の転写調節と過敏感応答誘導機構の解明
Project/Area Number |
22580046
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
丹生谷 博 東京農工大学, 学術研究支援総合センター, 教授 (60135936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 信光 東京農工大学, 学術研究支援総合センター, 助教 (70431971)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | タバコモザイクウイルス / 抵抗性遺伝子 / N遺伝子 / 過敏感応答 / 細胞死 / エリシター / 転写因子 / Dof |
Research Abstract |
タバコにはタバコモザイクウイルス(TMV)に対する抵抗性遺伝子(N遺伝子)が存在する。細胞にTMVが感染すると,その複製酵素のヘリカーゼ領域(p50)をエリシターとして認識し,Nタンパク質の働きにより,細胞死を伴う過敏感応答(HR)と呼ばれる防御応答を誘導する。人為的にp50のみを発現させてもN遺伝子の転写増強が誘導されることが知られていたので, N遺伝子の約2.3 kbの上流配列にレポーター遺伝子GFPを接続してプロモーター解析を実施した結果,p50が関与する転写増強にはDofファミリー転写因子が関与している可能性が示唆された。そこで本研究では,タバコDofタンパク質の一つであるBBF1について,N遺伝子の転写増強とNを介した防御応答における役割を調べた。 N遺伝子をもつタバコで,p50の非存在下でBBF1を一過的に過剰発現させると,HRは誘導されないが,内在性N遺伝子の発現が増加した。次に,BBF1とp50を一過的に共発現させた結果,p50の単独発現の場合と比べてHRが増強された。一方,HR誘導時における内在性BBF1の発現量の変化を調べたところ,TMV感染やp50によるHR誘導時において,N遺伝子の発現は増強されたが,BBF1遺伝子の転写量に変化は見られなかった。 興味深いことに,N遺伝子の有無に関わらず,BBF1の過剰発現時では,p50発現に非依存的にROSの産生量が増大したが,ROS産生に関わるとされるNADPHオキシダーゼ遺伝子(NtrbohD)の発現は影響を受けなかった。また,N遺伝子の非存在下でHRが誘導されない場合でも,BBF1を過剰発現時させると,サリチル酸やジャスモン酸を介したシグナル伝達経路のマーカー遺伝子(PR1a,PR1b)やHRマーカー遺伝子(Hsr203j,Hin1)の発現が増加した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)