2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規浄水発生土の資源化と鉄・ケイ素供給による環境保全型水稲生産の安定化技術の構築
Project/Area Number |
22580065
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 豊彰 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10176349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 亮介 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60530144)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ポリシリカ鉄浄水発生土 / ケイ酸 / 酸化鉄 / 有機栽培 / 玄米収量・品質 / メタン放出量 / 根の活性 / 根量 |
Research Abstract |
1)有機栽培体系におけるケイ酸資材およびPSI浄水発生土の水稲収量・品質に対する効果:有機栽培体系において、ケイ酸資材(ケイ酸カルシウム,シリカゲル)およびポリシリカ鉄(PSI)浄水発生土の水稲の生育・収量に対する効果を圃場栽培試験によって検討した。(2012年度は、資材連年施用・継続3年目)対照区に比べて3資材施用区で最分期、穂揃い期、成熟期の茎葉ケイ酸濃度は有意に増加し(対照区の109~158%)、成熟期のケイ酸吸収量は13~40%増加し、総モミ数と登熟歩合の増加によって玄米収量が3~7%増加(有意差なし)した。ケイ酸吸収が有意に増加したシリカゲル、PSI発生土施用区で対照区に比べて整粒歩合が高まる傾向を示した。 2)水稲根の伸長・活性に対するケイ酸施用効果:ケイ酸が根系に与える影響を水耕栽培で検証した。ケイ酸施用(2mM)によって細根の長さと活性(トリフェニルテトラゾリウムクロライドを用いた検定)が増加した。圃場栽培試験においては、PSI浄水発生土は影響しなかったが、シリカゲル施用によって細根長に差異があった。 3)圃場条件でのPSI浄水発生土のメタン生成抑制効果:遊離酸化鉄含量の異なる3つの沖積土(Fed=0.37~2.1%)を用いて水稲の枠栽培試験(2株)を行い、PSI浄水発生土がメタン放出量に与える効果を圃場条件で検証した。施用2年目でのみ酸化鉄含量が高い2土壌においてPSI浄水発生土の施用(2、4kg/m2)はメタン放出量を低下させる傾向を示した。 以上の結果より、有機栽培水稲の生産性安定化と外観品質向上にPSI浄水発生土を含むケイ酸資材が有効であり、その原因の一つとしてケイ酸添加が根系形成と活性を向上させ、養水分吸収を改善することが考えられた。PSI浄水発生土の多量の酸化鉄が電子受容体として機能し、メタン放出量を低下させたと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)