2010 Fiscal Year Annual Research Report
セルロース系バイオマスの完全酵素糖化を目指したセルラーゼの高機能化
Project/Area Number |
22580090
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川口 剛司 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70195056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
炭谷 順一 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10264813)
谷 修治 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (80405357)
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Keywords | セルラーゼ / バイオマス / 進化分子工学 |
Research Abstract |
1) セルロース結合ドメイン付与によるスーパーβ-グルコシダーゼの創製 β-グルコシダーゼ1(BGL1)のN末端またはC末端にそれぞれA. aculeatusのセロビオヒドロラーゼI,II由来のセルロース結合ドメイン(CBD)を付与したキメラタンパク質を作製した (BGL1-CBD_<CBHI>, CBD_<CBHII>-BGL1)。さらに,N, C末端両方に付与したものも作製した(CBD_<CBHII>-BGL1-CBD_<CBHI>)。これら3種のキメラ酵素の可溶性基質であるpNP-Glc, Salicin, Cellobioseに対する比活性はCBDを持たない野生型酵素と変わらなかった。一方,不溶性基質であるリン酸膨潤セルロースや不溶性セロオリゴ糖に対する結合定数と最大結合量はCBDの数に比例して高くなった。また,BGL1-CBD_CBHI, CBD_<CBHII>-BGL1, CBD_<CBHII>-BGL1-CBD_<CBHI>のリン酸膨潤セルロースを基質としたときの野生型酵素に対する活性比はそれぞれ,22.2,15.0,13.1であり,CBDを付与することにより不溶性基質に対する活性を向上することに成功した。しかし,活性はCBDの数に比例することなくBGL1-CBD_<CBHI>が最も高くなり,不溶性基質に対する高い親和性が必ずしも高活性につながらないことが明らかとなった。 2) 進化分子工学的改変による各セルラーゼ成分の機能強化 A. aculeatusのセルラーゼ成分の中で最も実用的に優れていると考えられるBGL1を進化分子工学的に改変するためにの大規模はランダム変異ライブラリの構築を目指し,大腸菌を宿主とした発現を試みたが,成功するに至らなかった。現在は,酵母を宿主とした発現系の構築を試みている。
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Research Products
(6 results)