2012 Fiscal Year Annual Research Report
微生物由来がん細胞特異的毒素の生体に対する毒性と消化器がん抑制効果
Project/Area Number |
22580111
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Research Institution | Fukuoka Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
奥村 史朗 福岡県工業技術センター, 生物食品研究所, 専門研究員 (40399671)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | パラスポリン / 微生物 / 癌 / モデルマウス / タンパク質 |
Research Abstract |
パラスポリン4(PS4)はヒト培養がん細胞に投与するとその細胞を破壊する一方で、ヒト正常T細胞には作用を示さないことから、がん特異的に細胞傷害活性を示すと考えられ、がん治療や診断への応用が期待されている。PS4の前駆体を組換え体大腸菌により産生させると封入体が得られるが、この前駆体封入体は弱塩酸に溶解し、ペプシンを加えてプロセッシングを行うと活性体となりはじめて活性を発現する。BTが産生する他のがん細胞特異的タンパク質や殺虫活性を持つタンパク質は、ほとんどの場合酸性の溶液中で凝集して失活するが、PS4は酸性でもその活性が維持されることから、PS4を哺乳動物に経口投与すると、その消化器内で可溶化・活性化されると予想され、前駆体を経口投与することによるがん治療が期待出来る。今回はPS4前駆体の経口投与による消化器官内での可溶化・活性化が実際に起こるかを検討し、また大腸がん誘発マウスへのPS4前駆体封入体の経口投与による延命試験を行った。 10%のPS4前駆体封入体を含む餌をC57BL/6Jマウスに自由摂取させ、消化器官の内容物を回収し、ウエスタンブロットで解析したところ、胃と小腸で活性体が、消化器官内全域でPS4の凝集体が確認された。回収した内容物をろ過滅菌し、CACO-2細胞に投与してその活性を調べたところ、胃と小腸から回収した内容物は細胞傷害活性を示し、PS4がその活性を保持していることがわかった。大腸がん誘発マウスに生後60日目から乾燥重量で10mgのPS4を週に3回強制的に経口投与し、PS4の経口投与によるマウスの延命試験を行ったが、コントロールとしていた正常マウスについて異常死が見られ、実験系もしくは実験技術に不備があると考えられた。本試験は大腸がん誘発マウスを増殖して十分数用意した後に約200日の投与が必要なため、現在再試験の準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)