2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞で発生する安定炭素中心ラジカルの分析およびその生理学的影響の解析
Project/Area Number |
22580116
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安保 充 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (00272443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 記一 群馬大学, 工学研究科, 准教授 (50321906)
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Keywords | 活性酸素 / ラジカル / ESR |
Research Abstract |
本研究は、活性酸素種(ROS)によって発生する二次代謝産物である炭素中心ラジカルの化学的な構造解析、およびその生体への影響を調べるものである。材料としては、植物根から放出される炭素中心ラジカルを利用して研究を行っている。 植物根から放出されている炭素中心ラジカルは、スピントラップ剤DEPMPOで捕捉し、ESRで計測するが、その信号強度の減少する様子から判断して、少なくとも3種類の寿命を持つラジカルの混合物であることが推測されている。現在、未反応のスピントラップ剤から目的ラジカル種を分離することを検討している。また、スピントラップ剤に捕捉した状態で、最も半減期の長いラジカル種は、その半減期が5日程度と計算され、特にこの化学種の分離を検討している。 DEPMPO以外の、疎水性を上げたスピントラップ剤DBPMPO,DPPMPOの合成も試みており、純度を上げるべく精製操作を行っている。 一方、リン脂質のクロロホルム溶液を濃縮乾固し、水を加えてソニケーションすることによりリボソームの懸濁液を作製し、Fenton反応によって生じたヒドロキシルラジカルと反応させ、DEPMPOでラジカルをトラップしたところ、植物根から得られる炭素中心ラジカルと同様なシグナルが得られた。このラジカルについても分離を行い、植物根から放出されているラジカル種との比較を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的とする炭素中心ラジカルのDEPMPO付加物の単離、特に未反応のDEPMPOと分離に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
炭素中心ラジカルのDEPMPO付加物と未反応物の分離に、HPLCだけでなく、ギャピラリー電気泳動ミセル動電クロマトグラフィー法など、様々な分離法を検討し、簡便な分離精製法を確立する。
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