2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物P450の個別選択的制御―植物の成長と甘味物質生産を調節する小分子の創出
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22580118
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
轟 泰司 静岡大学, 農学部, 教授 (30324338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 利幸 静岡大学, その他部局等, その他 (60542165)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シトクロムP450酵素 / 阻害剤 / ジベレリン / アブシジン酸 / 乾燥耐性 |
Research Abstract |
植物の活性型ジベレリンの生合成と代謝に関わるシトクロムP450酵素(P450)の1つであるent-カウレン酸化酵素CYP701Aに対してのみ高い阻害活性を有する化合物を,植物矮化剤であり且つアブシジン酸代謝不活性化酵素CYP707Aの強い阻害剤であるuniconazoleのトリアゾール環に置換基を導入することによって創出した。この化合物は,uniconazoleのもつCYP707A阻害活性をほとんど持たず,CYP701Aにのみ高い選択性を示すことを異種発現酵素を用いたインビトロ酵素試験によって明らかにした。次に,植物の2つの活性型ジベレリン,GA1とGA4の生合成分岐点に着目し,ent-カウレン酸の13位を酸化してsteviolを生成するCYP714AとGA12の13位を酸化してGA53を生成するCYP714Bの異種発現を行い,インビトロ酵素アッセイ系を構築した。この系を用いて,まずCYP714Aに対して高い阻害活性を有する化合物を,市販アゾール系化合物(主に抗真菌剤)からのスクリーニングによって見出した。しかしながら,この化合物は,CYP714Aだけでなく,CYP701AおよびCYP707Aに対しても高い阻害活性を有していたため,酵素選択性の向上を目指して構造改変を行った。その結果,CYP701Aに対する阻害活性の低減には成功したが,CYP707A阻害活性を消去することはできなかった。そこで,この化合物を含む水溶液中で発芽・生育したレタス実生を乾燥条件下に置いたところ,極めて高い乾燥耐性を示すことを見出した。その効果は,申請者らが以前に開発したCYP707A特異的阻害剤アブシナゾールよりも高く,今後の構造改変によっては,植物に対する優れた乾燥耐性付与剤としての展開が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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