2012 Fiscal Year Annual Research Report
相分離構造を利用した難接着木材用接着剤の開発とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
22580181
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山田 雅章 静岡大学, 農学部, 准教授 (20293615)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 木材接着 / 相分離 / 難接着木材 / ポリマーブレンド |
Research Abstract |
油状成分を多く含み、それによって接着が阻害される樹種類に適応可能な新規水性高分子-イソシアネート系接着剤を開発するため、ケン化度の異なる5種類のPVAを用いてブレンドを行い、水溶液の貯蔵安定性、油状成分の分散性能、木材接着性能を検討した結果、以下の結論が得られた。 1.親水基量が多く結晶性が高い完全ケン化PVAの水溶液はゲル化が極めて速いが、疎水基量の多いN77とブレンドすることにより、粘度の上昇やゲル化の抑制が可能であり貯蔵安定性を向上させられる可能性がある。 2.疎水基量が多いPVAほどpMDIやヒノキ精油の分散性能が優れている傾向が見られた。また、疎水基量がほぼ同等の単独系とブレンド系を比較すると、ブレンド系の油状成分分散性が良好であった。 3.単独系に比べてブレンド系はカバ材、ヒノキ精油塗布カバ材どちらの接着性能も優れていた。これはブレンド系の方がフィルムの強度が優れているだけでなく、木材中の油状成分による接着阻害を緩和できるためと考えられる。また、ケン化度が近い2種類のPVAをブレンドするよりもケン化度が大きく異なるPVAをブレンドした方が、ヒノキ精油塗布カバ材の耐水接着性能が良くなる傾向が確認された。これらのことから、ケン化度の異なるPVAのブレンドにより、油状成分を多く含む難接着木材の接着性が大きく改善できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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