2011 Fiscal Year Annual Research Report
超小型X線源を用いた立木用ポータブル非破壊材質検査装置の開発と立木の材質評価
Project/Area Number |
22580186
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 信也 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (20215213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 泰弘 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (50346839)
鈴木 良一 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 副研究部門長 (80357300)
岡野 哲郎 信州大学, 農学部, 教授 (00194374)
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Keywords | 非破壊 / 立木 / 材質 / 小型X線源 / 野外 |
Research Abstract |
林分を構成する個々の林木の材質を非破壊的に評価・診断できれば,個々の林木の高度で適切な利用が進み,ひいては森林の有する多面的機能のひとつである木材生産機能のさらなる発揮につながると思われる。本研究の目的は,近年共同研究者の一人が新たに開発した乾電池やUSB電源で駆動する超小型・可搬型のX線発生装置を用いて,年輪配置,材密度分布,節・腐朽等の欠点分布,辺心材や年輪内の水分分布等を二次元的に表示する立木用のポータブル非破壊材質検査装置を開発し,その装置によるフィールド実証試験を実施することである,本年度も,樹木・木材に対応したX線源・検知器の設計および製作のための予備実験を中心に以下を実施した. 1.昨年度同様,直径および含水率(生材状態から気乾状態)の異なるスギ,ヒノキおよび広葉樹数種の幹材を既存の工業用X線写真装置で管電圧条件をかえて撮像し,予備的に最適な撮影条件の探索のための基礎データを得た. 2.林分調査を実施し,種構成,林分構造,成長状況(直径),土壌状態,地形状況等を把握し,山地等野外フィールドでの使用に適した装置設計のための基礎情報を得た. 3.上記の様々な条件下での予備実験および林分調査により,昨年度行ったフィールド実証実験のためのプロトタイプの設計を大幅に変更する必要が生じ,今年度改めて設計を行った. 4.昨年度同様,山地等野外フィールドでの使用に適したより小型軽量なX線管の開発を実施した. 5.検査システムのCT化に向け,適したX線管,検知器,ハードウェアの構成およびソフトウェアについて検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はプロトタイプの装置設計・簡易製作を行い野外での実証試験を実施する計画であったが,実際の野外フィールドでの適用においていくつかの課題が明らかになり,設計変更をせざるを得なかったことおよびその設計において専門的な立場から助言をいただく予定であった研究協力者が東日本大震災の間接的影響により十分な時間を確保できなかったために計画に遅れが生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように当初の計画よりもやや遅れていることから,本年度は本研究課題に対し多くの時間を確保し遅れを取り戻したい. また研究協力者を1名追加し,設計における支援を十分うけられ体制にした.
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Research Products
(1 results)