2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580205
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
清原 貞夫 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (50117496)
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Keywords | 嗅覚 / 側線 / 嗅球 / 電気受容器 / 摂餌行動 / 嗅覚投射経路 / ナマズ / 魚 |
Research Abstract |
1)ゴンズイとアフリカナマズの嗅覚上皮を走査型電子顕微鏡で観察し、微絨毛型と繊毛型の受容器細胞を確認したが、第3の嗅覚受容細胞タイプであるクリプト型細胞は発見できなかった。又、嗅神経の末梢側切断面に蛍光物質(DiI)を投与して嗅細胞を逆行性標識し、この二つの受容器細胞を確認した。線毛型細胞は樹状突起の長い細胞で、微絨毛型細胞は樹状突起が短いことが分かった。 2)両魚種の嗅覚一次中枢に大小2種類の出力ニューロンを同定した。大型の細胞体は嗅覚高次中枢へ軸索を送る僧帽細胞である。小型の細胞体は反対側の嗅球へ情報を送る介在ニューロンもしくは僧帽細胞と同様に高次嗅覚中枢へ情報を送る房飾細胞である。 3)両魚種の嗅覚第二次線維の終脳と間脳への投射経路を明らかにした。線維は内側嗅索と外側嗅索の2つの分かれ終脳へ入る。内側嗅索は終脳腹側野腹側部、腹側野背側部へ終末し、外側嗅索は終脳背側野外側部、背側野後部へ投射する。内側嗅索の一部は前交連を経て反対側の終脳腹側野背側部、間脳の後隆起核、手綱核、後結節核にも投射する。 3)ゴンズイに水中音を流した後にオキアミを与えることを1日3回で7日間続けた後、音だけを与えた場合に摂餌探索行動を行うことを確認した。この効果は少なくとも7日間は維持され、この魚の記憶能力を確認した。 4)アフリカナマズには、機械受容器の管器感丘と遊離感丘、及び電気受容器であるアンプラ器の存在を確認し、2つの側線系の存在を明らかにした。
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