2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナラティヴアプローチによるパス依存型ネットワーク経営の世代間継続要件に関する研究
Project/Area Number |
22580232
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷部 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10125635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 亙 山形大学, 農学部, 教授 (70211141)
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Keywords | 物語り(ナラティヴ) / パス依存型 / ネットワーク経営 / 経営継承 / 農業経済倫理学 / 農業経済学 / 伝統芸能 / 風景 |
Research Abstract |
本年度は,ナラティヴ・アプローチによって世代間継続要件について,前年度に構築した実証モデルを適用し事例から探ることを目的とした。分析枠組みは,主として野家啓一の物語り論を拡張した風景物語り(出来事を文脈の中に配置し時間的列に並べて共有できる物語りとしての風景を語る)を共同言語行為(皆で語る)として捉え,それを語り継ぐことによって皆のものになり,規範化することで個人の物語りを語り合い共通(組織)の物語りになるといった考え方を織り込んだ実証モデルに『身体性』を考慮した授業実験により上記要件を検討した。 今回の授業実験結果より,修士1年よりも学部1年の方が創作舞踊を演ずる演者のからだの動きを身体で受けとめ(聴き),さらに,廣松渉の「共振的同調」を通して創作舞踊を理解している可能性があるという示唆が得られた。創作舞踊を演者と学部学生の一部の者とが「共振的同調」によって影(自我)と自己とを結びつけて互いの統合を図るだけでなく,演者の影と観客(学生)の影とが,また,観客同士の影も結びつき,舞踊の世界が講義室という「現場(フィールド)」で作られたといってよい。 我々は,単に知識を付与するという従来の教育的視点に加えて,今回の実験による身体性の観点を考慮したとうした体験こそが感性を豊かにし,多面的なモノの見方ができるようになるといったことが世代間継続要件の一つである可能性が示唆できた。 なお,分析的な枠組みとしては,農場(フィールド)における作業に関わる身体性をも取り扱うことができる一般的な形を提示したが,具体的な分析については新たな課題として挙げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象は,昨年度の東日本大震災により大きく被災し,また,TPPに対応するため緊張した経営の環境に晒されているため,調査を継続することが困難な状況であったから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究に際しては,今年度が復興の機運が高まっており,被災直後の年度と比べて格段と調査することが容易になっている。また,研究対象の経営状況等も密に連絡を取ることで障害にならぬように配慮している。
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Research Products
(7 results)