2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナラティヴアプローチによるパス依存型ネットワーク経営の世代間継続要件に関する研究
Project/Area Number |
22580232
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷部 正 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10125635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 亙 山形大学, 農学部, 教授 (70211141)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 物語り / 実証 / ナラティヴアプローチ / ネットワーク / 経営継承 / フランチャイズ / 共感 / 授業実験 |
Research Abstract |
物語り(ナラティヴ)は,人々が互いに語り継ぐことにより皆で共有するものとなるので,人々が所属する組織や社会の同一性(アイデンティティ)の基盤となり歴史となると同時に人々の行動を規定する規範としての機能を持つ.このため物語りは,さまざまな分野において理論と実践の両面において活用されている.物語りは,人々が「語る」ものであるため,経済的な統計量や自然科学の実験結果の場合と異なりデータ処理をもとにいわゆる「客観的な」分析を行うことが容易ではない.そこで,本研究では,物語りの実証という面に焦点を当てて,その解明に取り組んだ. 具体的には,「語られた内容を書き起こした文書」を対象とした分析という意味でナラティヴアプローチを採用した.まず,アンケート調査の自由回答にテキストマイニングの手法を適用してグローバルピッグファーム(以下GPF)を事例に物語り(GPF物語り)の共有による規範化(歴史化)に関して創業者・後継者の両世代について明らかにした.また,この結果に個別の聞き取り調査を加え,個別経営の後継者という限定付きで,このGPF物語りに関し「自覚に至るプロセス」を確認した.さらに,フランチャイズ型経営である平田牧場の場合の創業者と後継者の経営方針の違いについて分析した. 最終的には,ナラティヴアプローチの問題点の検討に基づき「語る」行為に着目した新たな実証の方法を提案した.そのうえで,「語り」が登場人物(あるいはそのモデルである人物)への「共感」を生み出すことを実証的に明らかにする実験を試みてその有効性を確認した.特に,本研究で重要な課題として位置づけていたネットワーク全体の円滑な組織の経営継承においては,「物語り」の共有に着目した分析枠組みを設定したが,その共有に至る過程において「物語り」への「自覚」や「共感」を組み入れた実証的な視点が重要であることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)