Research Abstract |
H23年度は,主に380~1000nmの波長範囲において,4種類のリンゴ果実(ふじ,ジョナゴールド,王林,シナノゴールド)について,5つの波長選択方法(ROC,CSMW-LS-SVM,VIP,GA,VIP-GA)を用いて,それぞれの特徴及び検出精度などを比較検討した。 上記の5種類の波長選択法により,ふじ,ジョナゴールド,王林,シナノゴールドの4品種のリンゴ果実にそれぞれ5セットの波長が選択された。波長選択方法や品種毎にそれぞれ異なる波長結果が得られたが,共通した主な特徴は以下のように3つある。 一つ目は,波長選択法や品種に関係なく,選択された波長による検出精度が380~1000nmの全波長に基づくものと同等かそれ以上のことが多い。このことから,本研究で提案した全ての波長選択方法は,果実打撲傷の識別に寄与度が低い波長を除外することができた。 2つ目は,全選択結果に共通した波長範囲は,おおよそ700~860nmに集約できる。このことは,品種に関係なくこの波長範囲がリンゴ果実の打撲傷に最も深く関与していることを確認できた。 3つ目は,5つの波長選択法の中で,最もシンプルで検出精度が高いのは,ROC波長選択法であった。この方法を果実の打撲傷識別に応用したのは,本研究が初めてである。他の方法と比較して,このROC波長選択法の特徴は,選択した有効波長数が最も少ない(1品種2波長),計算アルゴリズムが最もシンプルであることである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リンゴ果実の打撲傷を検出するための有効波長探索について,ほぼ計画通り進展できた。ただ,果実の化学成分と打撲傷の経時変化との関連性については,更なる検討が必要である。
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