2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580293
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
井上 聡 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・寒地温暖化研究チーム, 主任研究員 (20354011)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 知良 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・寒地温暖化研究チーム, チーム長 (20343949)
小南 靖弘 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業気象災害研究チーム, 主任研究員 (00370544)
横山 宏太郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業気象災害研究チーム, 専門員 (30355599)
|
Keywords | 季節風性降雪 / 低気圧性降雪 / 気候変動 / 農業影響 / 土壌凍結深 / 越冬雑草 |
Research Abstract |
日本では、季節風による降雪が主として日本海側で生じ、低気圧による降雪が主として太平洋側で生じる。提案者らは、日本海側の季節風性降雪の減少と北海道東部太平洋側での低気圧性降雪の増加という全国的な気候変動を確認した。この変動はほとんど知られていないため、気象庁観測データ等を用いて、その時空間変動特性を明らかにすることが本課題の第一の目的である。平成22年度は、この日本海側の減少と北海道東部太平洋側での増加について、データセットを作成し、時空間変動特性の解析に着手した。また、日本海側として新潟県上越市、北海道東部太平洋側として、北海道芽室町に降雪観測点を設定し、両地点における降雪の高精度観測方法について検討し、学会発表を行った。 また著者らは、降積雪の農業影響について様々な研究を行い、物理モデル/生態系モデルを各種構築してきた。それらのモデルを用いて、現在進行しつつある、この降雪変動が農業に及ぼす影響を多元的に解明することが本課題の第二の目的である。平成22年度は、この日本海側の降雪の減少と北海道東部太平洋側での降雪の増加について、農業影響の文献等の資料調査を開始した。さらに、北海道東部太平洋側での低気圧性降雪の増加によってもたらされる土壌凍結深の減少を、温暖化データを使って解析・予測し、査読付論文として発表した。この結果は、大規模畑作地で問題となる雑草の越冬性に大きく関与するため、農業影響評価として貴重な発表となった。
|
Research Products
(2 results)