2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580293
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
井上 聡 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター生産環境研究領域, 主任研究員 (20354011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小南 靖弘 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター北陸研究センター水田利用研究領域, 主任研究員 (00370544)
廣田 知良 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター生産環境研究領域, 上席研究員 (20343949)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 農業雪害 / 農業災害 |
Research Abstract |
日本海側の季節風性降雪は、気象庁地域平均気象データの北陸地方降雪量平年比をMann-Kendall傾向検定し、有意水準5%で減少トレンドを検出した。しかし、同降水量(降雨も含む)ではトレンド検出せず、モンスーンインデックス(MOI:冬季イルクーツク気圧と根室気圧の気圧差、西高東低強度)でもトレンド検出しなかった。降量平年比と負の相関が高かった(-0.89)のは北陸地方の平均気温平年差であり、平均気温平年差も正のトレンドを検出したことから、降雪減少の原因は、気温上昇による雪から雨への降水形態変化であった。北海道東部太平洋側での低気圧性降雪の増加は、増加傾向は統計的に検出されなかった。しかし、帯広での最深積雪20cm以上日数は増加トレンドが検出され、道東太平洋側の多雪化の一端を裏付けた。 農業影響については、道東太平洋側について温暖化と積雪増加に伴う土壌凍結深減少を推定した(井上ら,2010)。このため、越冬雑草の増加等が予想される。北陸地方については、越冬害虫の増加等従来の知見を補強する結果が得られた。また2011-12年冬季に、岩見沢を中心に最深積雪、長期積雪期間ともに、観測史上最大を記録し、この農業影響を調査した。同冬季はMOIが過去の大雪年と同様に大きく、岩見沢にも季節風性降雪が多量に生じた。そのため、機械的雪害として被覆無しハウス等施設の倒壊、果樹の枝折れ被害が多かった。さらに生理的雪害として、転換畑の小麦雪腐病が大発生したが、多収性品種であったこともあり収量減少は避けられた。今後は、北陸地方では、多雪発生の減少が予想されるが、対策削減によって雪害発生時の被害拡大が懸念される。北海道では、2012-13年冬季のオホーツクでの雪害など、今後も道東全域を対象に低気圧性降雪の動向把握が今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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