2010 Fiscal Year Annual Research Report
リジン欠乏による鶏ヒナの摂食量減少に関与する視床下部モノアミン作用の解明
Project/Area Number |
22580304
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
菅原 邦生 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50091947)
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Keywords | food intake / hypothalamus / monoamines / brain microdialysis / chicken / 視床下部 / モノアミン / 脳微小透析法 |
Research Abstract |
リジン欠乏飼料摂取ヒナの視床下部腹内側核細胞間隙ドーパミン量を、対照飼料摂取ヒナのそれと同じ水準に保つと、リジン欠乏飼料を対照飼料と同量食べるか否かを検証するために次の実験を実施した。 ドーパミン放出促進剤(ノミフェンシン)を腹内側核に透析プローブを介して灌流すると、腹内側核ドーパミン量を上昇させることができたが、ノルエピネフリンとセロトニンも上昇したので、これは採用しなかった。 ドーパミンの前駆物質であるL-DOPAの用量を段階的に変えて腹内側核に灌流すると、ドーパミン量は用量依存的に変化し、2μg/mLの用量でドーパミン量は上昇したが、他のモノアミンは変動しなかった。そこで、2μg/mL溶液を1分間当り1μLの速度で15分間灌流し、ドーパミン量を低下させないように保ちながらリジン欠乏飼料を給与すると、摂食量の減少が阻害され、減少し始める時間はL-DOPAを還流しない場合より2時間遅らせることができた。 今年度の研究によって、鶏ヒナの視床下部腹内側核細胞間隙ドーパミン量を任意の水準に調節できることを示すとともに、視床下部腹内側核細胞間隙ドーパミン量を対照飼料給与時と同じかそれ以上に保つと、ヒナはリジン欠乏飼料を対照飼料と同量程度食べることが出来ることが明らかになり、自発摂食量の調節に視床下部ドーパミンが重要な働きをしていることを示した。
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