2010 Fiscal Year Annual Research Report
リプログラミング状態の非侵襲的評価系を用いたミニブタ体細胞核移植技術の高度化
Project/Area Number |
22580321
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三好 和睦 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (70363611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正宏 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (30287099)
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Keywords | 体細胞クローニング / 核移植 / リプログラミング / ミニブタ |
Research Abstract |
効率的な体細胞クローンミニブタ作出システムの確立は、ヒト疾患モデル動物や代替臓器提供動物を開発するために重要である。そこで、種々のヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(バルプロ酸、スベロイルビスヒドロキサム酸およびスクリプタイド)がミニブタ体細胞クローン胚の発生に及ぼす影響について調べた。活性化処理後のクローン胚を4~12mMのバルプロ酸で24時間処理することにより、無処理区と比較して胚盤胞形成率が有意に高くなった。また、50μMのスベロイルビスヒドロキサム酸で16時間処理した場合にも、胚盤胞形成率の有意な増加が見られた。スクリプタイドを用いる場合には、500nMの濃度で16時間処理することにより、胚盤胞形成率を改善し得ることが示された。スクリプタイドによる処理を行った場合に高い胚盤胞形成率が得られたので、それらのクローン胚を仮親に移植し、体内発生状況について調べた。無処理のクローン胚を移植した3頭のうち、1頭においては移植30日後における妊娠の維持が確認されたが、その後流産した。スクリプタイド処理したクローン胚を6頭に移植した結果、5頭において移植30日後における妊娠の維持が確認された。その後、2頭は流産したが、残りの3頭は移植90日後まで妊娠の維持が確認されており、現在経過観察中である。以上の結果から、バルプロ酸、スベロイルビスヒドロキサム酸およびスクリプタイドがミニブタ体細胞クローン胚の体外発生を改善し得ることが示された。また、スクリプタイドはミニブタ体細胞クローン胚の産子への発生を改善し得ることが示唆された。
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Research Products
(7 results)