2010 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸親和性水晶発振子マイクロバランス法を用いたリン酸化生体分子の解析
Project/Area Number |
22590037
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木下 英司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80304418)
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Keywords | リン酸化 / 水晶発振子マイクロバランス / QCM / バイオセンサー / フォスタグ / 分子認識 / 蛋白質 / 分析化学 |
Research Abstract |
申請者が開発した2価のリン酸アニオンを特異的に捕捉するフォスタグを水晶発振子マイクロバランス(QCM)法に適用させることが本研究の目的である。水晶発振子とは,水晶の結晶を極薄い板状に切り出した切片の両側に金属薄膜を取り付けた構造をしたもので,それぞれの金属薄膜に交流電場を印加するとある一定の周波数で振動する性質を示す。この水晶発振子の表面に物質が付着すると物質の質量に比例して振動数が減少するため微量天秤として利用することができる。そこで当該年度では,フォスタグをQCM法におけるホスト分子として適用させ,様々なゲストサンプル(リン酸化生体分子)に応じることが可能なリン酸親和性バイオセンサーチップの創出を試みた。以下に研究の成果を列記する。 1)アビジンが固定化されたQCMセンサーにビオチン化フォスタグを適用させることでリン酸親和性バイオセンサーチップを創出した。 2)従来のビオチン化フォスタグのビオチンとフォスタグ分子間に12分子のエチレングルコールを導入した新規ビオチン化フォスタグを合成してQCM法に適用させたところ,より高感度にリン酸化生体分子を検出するためのQCMセンサーチップを創出することに成功した。 上記したリン酸親和性バイオセンサーチップを得たことにより,より幅広いリン酸化生体分子の解析に応用できるものと期待している。今後は,この新規なセンサーチップを創薬,遺伝子診断,ゲノム医療などの生命科学分野に利用できる新しいアプリケーションに展開していく。 なお,これまでの成果は,2010年12月9日に神戸で開催の第33回日本分子生物学会・第83回日本生化学学会年会等で発表した。
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