2011 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸親和性水晶発振子マイクロバランス法を用いたリン酸化生体分子の解析
Project/Area Number |
22590037
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木下 英司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80304418)
|
Keywords | リン酸化 / 水晶発振子マイクロバランス / QCM / バイオセンサー / フォスタグ / 分子認識 / 蛋白質 / 分析化学 |
Research Abstract |
申請者が開発した2価のリン酸アニオンを特異的に捕捉するフォスタグを水晶発振子マイクロバランス(QCM)法に適用させることが本研究の目的である。水晶発振子とは,水晶の結晶を極薄い板状に切り出した切片の両側に金属薄膜を取り付けた構造をしたもので,それぞれの金属薄膜に交流電場を印加するとある一定の周波数で振動する性質を示す。この水晶発振子の表面に物質が付着すると物質の質量に比例して振動数が減少するため微量天秤として利用することができる。そこで当該年度では,フォスタグをQCM法におけるゲスト分子として適用させ,様々なホストサンプル(リン酸化生体分子)に応じることが可能なリン酸基認識プローブの創出を試みた。以下に研究の成果を列記する。 1)各種リン酸化ペプチドを固定化したQCMセンサーチップを作成した。 2)従来のビオチン化フォスタグBTL-104と新規誘導体BTL-111(ビオチンとフォスタグ分子間に12分子のエチレングルコールを導入した誘導体)をリン酸基認識プローブとしてQCM法に適用させた。 3)それぞれのビオチン化フォスタグ(亜鉛と錯形成させてあるもの)のみの結合ではQCMシグナルを計測することは出来なかった。 4)ビオチン化フォスタグ添加後,さらにストレプトアビジンを追加することで,QCMシグナルのリアルタイムな計測が可能となった。 5)非リン酸化ペプチドを固定化したQCMセンサーチップや亜鉛と錯形成させていないビオチン化フォスタグの使用では,ストレプトアビジンを追加しても,QCMシグナルを計測することは出来なかった。 以上より,より幅広いリン酸化生体分子の解析に応用できるものと期待している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フォスタグがQCM法におけるホスト分子,あるいはゲスト分子として応用可能であることが証明されたから。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,QCM分析に対応したこれら新規のセンサーチップ,並びに計測用分子プローブを創薬,遺伝子診断,ゲノム医療などの生命科学分野に利用できる新しいアプリケーションに展開していく。
|
-
[Journal Article] Highly sensitive detection of protein phosphorylation by using improved Phos-tag Biotin2012
Author(s)
Eiji Kinoshita, Kinoshita-Kikuta, E., Sugiyama, Y., Fukada, Y., Ozeki, T., and Koike, T
-
Journal Title
Proteomics
Volume: 12
Pages: 932-937
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-