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2011 Fiscal Year Annual Research Report

脳の恒常性維持に対する高コレステロール血症の影響とその機構

Research Project

Project/Area Number 22590057
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

石井 伊都子  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (00202929)

Keywordsコレステロール / 脳血液関門(BBB) / 血管透過性
Research Abstract

血液脳関門(BBB)により中枢神経系の生化学的な恒常性が高度に維持されているが、脳卒中やアルツハイマーになるとBBBの透過性が亢進する。平成22年度の研究成果として、マウスに高コレステロール食を給餌すると、血液中で好中球の割合が増加しMWP9を分泌し、BBBに存在する結合蛋白質を破壊することでBBBの透過性が亢進することを明らかにした。今年度は、薬剤により高コレステロール血症由来BBB透過性亢進が抑制されるかどうかを明らかにするとともに、脳内のコレステロール代謝や神経原繊維の経時的変化を観察することとした。
高コレステロール食給餌C57B1/6マウスに、血清コレステロール低下作用薬(プラバスタチン、アトルバスタチン、エゼチミブ、コレスチラミンなど)を同時投与し、BBBの透過性亢進が抑制されるかについてMRIを用いて検討したところ、両スタチンとも効果がなく、エゼチミブやコレスチラミンでBBB透過性が抑制されていた。これまでの研究からスタチンはマウスの高コレステロール血症に対して効果がないことが知られているが、その結果と一致していた。一方、エゼチミブやコレスチラミン投与群では、血中コレステロール値が有意に低下し、血中の好中球の割合が減少し、MMP9値も低下していた。特に、胆汁酸排泄を促すコレスチラミンは血中のHDLレベルも有意に回復し、BBB透過性亢進に対する抑制効果が高かった。脳内の繊維化について病理切片を用いて観察したところ、高コレステロール食給餌マウスにおいて大きな変化はなかったが、細胞が所々で脱落していた。また、高コレステロール食給餌マウスでは脳内にコレステロールエステルがわずかに蓄積していることが解ったが、普通食マウスに比べて有為差はなかった。これは、今後の検討課題である。
以上より、高コレステロール血症低下薬を用いることで、血液中の好中球数が減少し、MMP9が低下し、その結果BBB透過性亢進が抑制できると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

薬剤投与によるBBB透過性亢進への影響については、明確な結果を得ることができた。しかし、高コレステロール血症による、脳の変化は予測していたほど大きくなかった。従って、解析方法や標的物質に関して計画を練り直す必要がある。

Strategy for Future Research Activity

高コレステロール血症により、脳内のコレステロール蓄積は変化したものの有意ではなかった。一方、これまでの知見では、mRNAの発現に影響していると考えられる。本年度は、中枢神経に由来する樹立細胞株を用いて、リポタンパクの影響を検討するなどの実験が必要となる。また、本研究より、血管の透過性はBBBのみではなく腎臓機能に影響することも明らかになった。従って、腎臓由来細胞を用いて、そのメカニズムを検討する必要も出てキ巻いた。以上より、次年度(H24年度)は、培養細胞を用い、リポタンパク質による影響を明らかにする実験が必要となる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Nitroxide derivatives for imaging of hypercholesterolemia-induced kidney dysfunction and assessing the effectiveness of anti-lipidemic drugs2011

    • Author(s)
      Tomizawa, A., Hadjidekov, G., Ishii, I.. Bakalova, R., Zhelev, Z., Aoki, I., Saga, T., Kitada, M.
    • Journal Title

      Mol.Pharm.

      Volume: 8 Pages: 1962-9

    • DOI

      PMID:21744874

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Carbamoyl-PROXYL-enhanced MRI detects very small disruptions in brain vascular permeability induced by dietary cholesterol2011

    • Author(s)
      Tomizawa, A., Ishii, I.. Zhelev, Z., Aoki, I., Shibata, S., Kitada, M., Bakalova, R.
    • Journal Title

      Biochim.Biophys.Acta-Gen.Subjects

      Volume: 1810 Pages: 1309-16

    • DOI

      PMID:21767608

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 食餌性高コレスアロール血症由来腎機能障害に対するMRイメージングによる抗高脂血症薬の効果の評価2011

    • Author(s)
      石井伊都子, Rumiana Bakalova, Zhivko Zhelev, 青木伊知男, 北田光一
    • Organizer
      第84会日本生化学会大会 4T8p-2(4P-0049)
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      2011-09-24
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.p.chiba-u.ac.jp/lab/byouyaku/index.html

URL: 

Published: 2013-06-26  

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