2012 Fiscal Year Annual Research Report
血管疾患におけるテネイシンファミリーの作用機序の解明とその診断法への応用
Project/Area Number |
22590063
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
松本 健一 島根大学, 総合科学研究支援センター, 教授 (30202328)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 胸部大動脈瘤 / 腹部大動脈瘤 / 血清 / プロテオミクス解析 / テネイシンファミリー / テネイシンC |
Research Abstract |
本年度は血管疾患においてテネイシン(TN)ファミリーと発現相関する蛋白質の同定を目指した。まず、腹部大動脈瘤(AAA)と胸部大動脈瘤(TAA)の患者の手術前と手術後の血清を用いて、術前と術後で発現量に差のある血清蛋白質の同定を行った。まず、各術前・術後血清サンプルから、血清中に多量に存在するアルブミン等を除去し、トリプシン消化後、異なるiTRAQ試薬で標識し、Nano LC クロマトグラフィーにより分画し、MALDI-TOF/TOF MS/MSシステムにより網羅的解析を行った。その結果、[術後血清中の蛋白質量]/[術前血清中の蛋白質量]が1.3倍以上の術後増加蛋白質をAAA血清中においては6個、TAA血清中においては8個同定した。一方、[術後血清中の蛋白質量]/[術前血清中の蛋白質量]が0.77倍未満の術後減少蛋白質をAAA血清中においては12個、TAA血清中においては17個同定した。しかしながら、同定したこれら蛋白質の中にTNファミリーのメンバーは見出せなかった。 次に、近傍正常組織と比べてのAAA病変組織やTTA病変組織における発現差異プロテオミクス解析を行ったところ、発現差異蛋白質としてAAA病変組織においては55個の特異的な蛋白質が同定され、TAA病変組織においては68個の特異的な蛋白質が同定された。興味深いことに、テネイシンC(TNC)は、近傍正常組織とAAA病変組織の発現量(0.93倍)はほぼ変化はないが、近傍正常組織と比べてのTAA病変組織の発現量は1.86倍と増加していた。また、AAA病変組織とTAA病変組織において共通に発現変動蛋白質として同定された121個の蛋白質の内、58個がAAA病変組織とTAA病変組織とで発現パターンに相違が見られた。TNCを始めとしてこれらの発現相違蛋白質が、AAA組織とTAA組織の病変の相違に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)