2010 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク性制御因子の動態解析による酸化ストレス誘導神経細胞死機構の解明
Project/Area Number |
22590091
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
樋口 善博 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (10019630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 純子 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (20378657)
橋井 美奈子 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (10272957)
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Keywords | シグナル伝津 / ストレス / タンパク質 / 脳神経疾患 / 老化 / プロテインキナーゼC / プロテオミクス解析 / アポトーシス |
Research Abstract |
我々は,神経系グリア細胞を用い,外因性のグルタミン酸により細胞内のGSHが枯渇し,細胞内での活性酸素種の蓄積により修復不能の染色体巨大(giant)DNA断片化が起こり,その結果DNA損傷を起因とするアポトーシスに至ることをすでに明らかにし,その際に脂質過酸化が見られ,活性酸素及び脂質過酸化物の増減によってアポトーシスが調節されていることを報告してきた。 本研究において,神経系グリア細胞ではグルタミン酸によって細胞内GSHが枯渇すると細胞内活性酸素が増え、かつアラキドン酸からの12-リポオキシゲナーゼ代謝過酸化物を含む脂質のラジカル連鎖反応による過酸化が増大することで細胞膜強度が低下し,同時にアポトーシス関連酵素の失活もしくは減少を来たし,一方で細胞内ATPの減少・枯渇,ミトコンドリア膜電位の低下引き起こしながらネクローシス様の細胞死を誘導増進することが明らかになった。その際に,プロテインキナーゼCは細胞死の過程で関与するカスパーゼの下流で活性化し細胞死の進行を促進していると考えられている。このときカスパーゼの活性化そのものも抑制されるので,プロテインキナーゼCはカスパーゼの上流においてもアポトーシスの進行を制御している可能性が示唆されている。そこで,プロテインキナーゼCをはじめ,プロテインキナーゼによりリン酸化を受ける特定タンパク性因子の探索を目的として細胞内プロテインキナーゼC活性の動向を検討した。すなわち,グルタミン酸による細胞死誘導で,シグナルに関与するプロテインキナーゼCの活性化とそのタイプを明らかにし,その其質となるリン酸化タンパク質のプロテオミクス解析を試みたが,現在まだ確定的な結果は得られていない。今後さらに継続して検討していく必要がある。
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Research Products
(1 results)