2011 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク性制御因子の動態解析による酸化ストレス誘導神経細胞死機構の解明
Project/Area Number |
22590091
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
樋口 善博 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (10019630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 純子 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (20378657)
橋井 美奈子 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (10272957)
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Keywords | シグナル伝達 / ストレス / タンパク質 / 脳神経疾患 / 老化 / プロテオミクス解析 / プロテインキナーゼC / アポトーシス |
Research Abstract |
我々は,神経系グリア細胞を用い,外因性のグルタミン酸により細胞内のGSHが枯渇し,細胞内での活性酸素種の蓄積により修復不能の染色体巨大(giant)DNA断片化が起こり,その結果DNA損傷を起因とするアポトーシスに至ることをすでに明らかにし,その際に脂質過酸化が見られ,活性酸素及び脂質過酸化物の増減によってアポトーシスが調節されていることを報告してきた。 本研究において,神経系グリア細胞ではグルタミン酸によって細胞内GSHが枯渇すると細胞内活性酸素が増え、かつアラキドン酸からの12-リポオキシゲナーゼ代謝過酸化物を含む脂質のラジカル連鎖反応による過酸化が増大することでアポトーシス関連酵素の失活もしくは減少を来たし,一方で細胞内ATPの減少・枯渇,ミトコンドリア膜電位の低下引き起こしながらネクローシス様の細胞死を誘導増進することが明らかになった。その際に,プロテインキナーゼC(PK-C)は細胞死の過程で関与するカスパーゼの下流で活性化し細胞死の進行を促進していると考えられている。このときカスパーゼの活性化そのものも抑制されるので,PK-Cはカスパーゼの上流においてもアポトーシスの進行を制御している可能性が示唆されている。そこで,PK-Cをはじめ,プロテインキナーゼによりリン酸化を受ける特定タンパク性因子の探索を目的として細胞内PK-C活性の動向を検討した。すなわち,グルタミン酸による細胞死誘導で細胞内シグナルに関与するPK-Cの活性化とそのタイプを明らかにし,その基質となるリン酸化タンパク質のプロテオミクス解析を二次元電気泳動法で試み,二倍量に誘導発現される幾つかのタンパク質の存在が明らかとなったが,そのタンパク質の同定については現在まだ確定的な結果は得られていない。今後さらに継続して検討していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画進行の遅れとして,プロテオミクスに関しては電気泳動によるタンパク質の分離過程で使用する既成の方法では分離に限界があり,本研究では新たな条件設定を検討しつつ行って来たことが原因である。そのため実験計画の一部を手直しと改善が必要となった。また一方で,デファレンシャル法によるあらたに出現するタンパク質の割合が想定していた程の大きさは認められず,また多種の関与するタンパク質の存在が浮上し,それらすべてのタンパク質の検討するに及んで予定以上の時間を費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画上の,細胞死誘導におけるPK-C関与タンパク質の同定が完了していないので現段階では遺伝子改変動物(ノックアウトマウス)の作成にむけての遺伝子解析はできてないままになっている。本実験計画は時期を遅らせることを考慮しながらも実験計画そのものを変更するような事はせず,期間内は従来の実験計画の進行に託すことの方が良いと考える。
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Research Products
(4 results)