2011 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレスを標的とした肥満への新規創薬ターゲットの創製
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22590100
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小澤 孝一郎 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10211822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 敬 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30135032)
細井 徹 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (40379889)
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Keywords | 小胞体ストレス / レプチン / 肥満 |
Research Abstract |
肥満は生活習慣病の主要な危険因子であります。私達は現在までの研究の結果、肥満の新しい機構として「小胞体ストレス(すなわち不良品タンパク質が細胞内に蓄積することによって生じるストレス)の関与」を見出しました(Mol Pharmacol 2008, 74 : 1610-1619.)。すなわち、レプチン抵抗性(抗肥満蛋白質であるレプチンが効きにくくなる状態)の原因が小胞体ストレスである可能性を見いだしました。従って、小胞体ストレスを標的とした薬物は肥満の治療薬として有効である可能性が考えられました。そこで本研究では、小胞体ストレスを標的とした薬物を明らかにし、肥満の治療薬として今までにない新しいタイプの薬物を見出すことを目的としました。 現在までの検討の結果、私たちは、小胞体ストレスを標的とした新しい薬物を同定することに成功しました。しかしながら、本薬物は中枢移行性が悪いという欠点を有しております。レプチンの主な作用部位は脳の視床下部であることから、中枢移行性の高い薬物を創製することは、重要な課題であると考えられます。そこで、中枢移行性の向上を目的として本薬物をプロトファルマコフォアとした化合物を作成しました。本化合物の基本的な薬理作用を検討した結果、本化合物には、ケミカルシャペロン活性があり、小胞体ストレスによる細胞死も抑制することが明らかとなりました。そこで現在、本化合物の抗肥満作用に関して、マウスレベルで検討を行っています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験も順調に進み、当初の計画通りに研究が進んだと考えております。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の予定通り研究を進めていき、良い研究成果が発表できれば幸いと考えております。
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Research Products
(7 results)