2010 Fiscal Year Annual Research Report
XIAPアンタゴニストin silico設計による新規制がん剤リード化合物の創製
Project/Area Number |
22590107
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田沼 靖一 東京理科大学, 薬学部, 教授 (10142449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 涼子 東京理科大学, 薬学部, 助教 (10398828)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 薬学 |
Research Abstract |
本研究では,新規制がん剤開発を目指し,内在性アポトーシス抑制因子XIAPを創薬ターゲットとした阻害剤の創製を目的としている.私共は,独自に開発したin silico分子設計手法(COSMOS法)を用いて,XIAP/Smac結合部位を創薬ターゲットドメイン(Hot Spot)として,XIAP阻害剤(アンタゴニスト)となる候補ペプチドを設計し,その実測結果から最適ペプチドとしてAVPFを同定した.平成22年度は,XIAPアンタゴニストペプチドAVPF/XIAP相互作用について,in silicoで結合エネルギーのDecomposition analysisを行い,この相互作用に重要なXIAP側のアミノ酸残基(Hot amino acids)を同定した.このHot amino acidsを支点として,XIAPアンタゴニスト低分子化合物設計のためのpharmacophoreを構築し,我々が開発した結合エネルギー分布度類似評価法(Mimetics Rate(MR)法)を用いて化合物ライブラリ(約300万化合物)からスクリーニングを行った.選出された化合物群について,蛍光偏光測定を用いてXIAP-BIR3への結合能の評価を行った結果,XIAP-BIR3結合能を有する化合物ITM-017を見出すことができた.またこの化合物は,白血病細胞株HL-60細胞に対してアポトーシス誘導効果を有することが判明した.ITM-017のXIAP Hot Spot内のS1~S4ポケットにおける結合様式を考察すると,S1,S2ポケットにおける水素結合,及びS3,S4ポケットにおける疎水性相互作用を満たしており,基本骨格としては優れているといえる.しかし,S1ポケットにおいてITM-017末端の硫酸基が突出しており,これがXIAPとの結合にマイナスの影響を及ぼすことが予測され,さらなる構造最適化が必要と考えられる.
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[Journal Article] Structural insights into the hot spot amino acid residues of mushroom tyrosinase for the bindings of thujaplicins.2010
Author(s)
Takahashi S, Kamiya T, Saeki K, Nezu T, Takeuchi S, Takasawa R, Sunaga S, Yoshimori A, Ebizuka S, Abe T, Tanuma S.
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Journal Title
Bioorg Med Chem.
Volume: VOL.18
Pages: 8112-8118
Peer Reviewed
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