2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590143
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
沼澤 聡 昭和大学, 薬学部, 准教授 (80180686)
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Keywords | 臨床薬学 / 化学療法 / 副作用発現機構 / 5-フルオロウラシル / p53 |
Research Abstract |
本申請研究では、固形がんの治療において最も広範に用いられている5-フルオロウラシルに焦点を絞り、特に治療の用量規定因子や患者QOL維持において重要となる副作用である骨髄抑制や口内炎の発症と酸化ストレスの因果関係を分子レベルで明らかにすることを目的とした。さらに、正常組織と腫瘍組織の5-FUに対する応答性の差異を生じさせる中心的分子を特定することにより、副作用発現に特異的に関わる機序の解明を目指した。本申請研究により副作用を克服するための分子基盤が構築されれば、新規支持療法等の開発などがん治療戦略に大きなインパクトをもたらすことが期待できる。本年度は、5-FUのp53に対する作用をin vivoで解析し、5-FUは同一個体において移植がん組織ではp53をアップレギュレートするのに対し、骨髄p53を持続的にダウンレギュレートすることを明らかにした。本研究により、正常組織とがん組織における化学療法剤への応答性の相違点を明確にすることができた。一方、骨髄において5-FUによるp53のダウンレギュレーションと活性化が同時進行で生じていたことから、p53のリン酸化状態などそのメカニズムの詳細については次年度における課題となった。
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Research Products
(13 results)