2011 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛の吸収と体内動態:吸収型輸送担体ZIPと排泄型輸送担体ZnTとの関係
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22590154
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
坂根 稔康 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (50215638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 昌 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (00166779)
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Keywords | メタロミスク / 亜鉛 / 金属元素 / 必須微量元素 / トランスポーター / 吸収 |
Research Abstract |
Wistar系雄性ラットに亜鉛安定同位体(^<68>Zn,存在比19%)を経口投与し、その後の血中濃度の経時変化を測定した。摂食時の吸収率は10.4%(投与量1mg/kg)、14.9%(投与量5mg/kg)で、予想とは逆に、投与量の増大とともに吸収率も増大した。次に、絶食下で同様の実験を行ったところ、吸収率は32.4%(投与量1mg/kg),21.1%(投与量5mg/kg)であった。亜鉛の吸収は食餌の影響を受け、摂食時に吸収が抑制されることが明らかとなった。食餌中の分子量の大きい成分と相互作用したことで吸収が低下し、さらに投与量の増大に伴い、相互作用が飽和した結果と考えている。また、絶食下における吸収率は投与量の増大とともに低下し、飽和性が観察され、担体輸送系が関与する可能性が示唆された。次に、消化管内に一定濃度の亜鉛を含む溶液を導入し、その後の血中濃度の経時変化を測定したところ、小腸からの亜鉛吸収は消化管内亜鉛濃度に対して、非線形性を示すことが明らかとなり、消化管からの吸収に対する担体輸送系の関与が強く示唆された。亜鉛の小腸上皮細胞層透過の詳細を明らかにする目的で、Caco-2細胞単層膜に対する透過性をin vitroで測定した。細胞層側の亜鉛添加濃度を変化させて、亜鉛のCaco-2細胞単層膜透過性を測定したところ、透過係数は濃度の増大とともに低下し、飽和性を示した。担体介在性輸送と受動輸送の両者を仮定して、速度論解析を行った結果、担体介在性輸送に関するミカエリス定数Kmは11.7μM、最大輸送速度Vmaxは31.8pmol/min/cm^2、受動輸送に関する透過係数Kdは2.37×10^<-6>cm/secであった。低温(0℃)条件下、およびエネルギー代謝阻害剤(dinitrophenol)の併用により、亜鉛の透過の非線形性が消失し、受動輸送のみが観察された。したがって、Caco-2細胞層に対する亜鉛透過に関与する担体輸送系は能動輸送であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
23年度に実施予定の研究内容の一部を今年度に前倒しで実施した。逆に、22年度に実施予定の研究内容の一部を23年度に先送りした。研究内容が計画とは相前後したが、3年間の計画全体からみると、計画以上に進展している。色々な実験手技や亜鉛の測定に慣れて、問題や測定機器などのトラブルの頻度が低下したことが理由と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画以上に進展しているが、研究の進展に対する問題点として、ICP/MSの使用が挙げられる。ICP/MSは共同利用機器であり、他研究室とのバッティングにより、使用したいときに使用できないことがあった。他研究室との調整を行う、あるいはこまめに空き時間を見つけてICP/MSを使用することで、ICP/MSによる亜鉛の定量が研究計画の遅延の原因とならないように配慮したいと考えている。
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Research Products
(1 results)