2012 Fiscal Year Annual Research Report
ネフローゼ症候群患者の腎尿細管内の微環境変化を推察するための非侵襲的診断法の開発
Project/Area Number |
22590165
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
高村 徳人 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (20369169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 仁 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (60369171)
緒方 賢次 九州保健福祉大学, 薬学部, 講師 (90509580)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 薬学 / ネフローゼ症候群 / 非侵襲的尿中診断法 / タンパク結合 / 尿中アルブミン |
Research Abstract |
ネフローゼ症候群患者の場合、腎尿細管中に多量の血清タンパク質が漏れ出るため、タンパク結合性の高い薬物は腎尿細管中のヒト血清アルブミン(HSA)やα1-酸性糖蛋白質(AGP)と結合し、尿細管中での薬理効果を発揮できない。したがって、腎尿細管内のHSAやAGP結合能の変化を推察するための非侵襲的尿中診断法の確立は重要である。本年度は、昨年度の研究で見出した疑似ネフローゼ症候群タンパク尿中のサイトプローブ遊離濃度の定量法を用い尿中診断法の確立とその精度の検討を行った。 1) ネフローゼ症候群患者に対する非侵襲的尿中診断法の妥当性の検証については、それぞれのネフローゼ症候群患者尿を一定量採取し、それに各結合サイトプローブを添加して結合能を算出た。それらの尿中HSA や尿中クレアチニンおよび尿中尿素窒素の濃度との関係は、主に尿中HSA量に大きく依存することが分かった。その結果より、非侵襲的尿中診断法におけるサイトプローブの結合能の変動はHSA濃度の変動に大きく依存し、尿中クレアチニンおよび尿中尿素窒素にはあまり依存しないものと考えられた。ただし、尿毒症物質はサイトプローブの結合能に影響を与える可能性が高い。 2)1の診断法を補強するために、第二の診断法についても検討した。この診断法は、微量のHSAやAGPを一定量含んだ溶液に低濃度の数種のサイトプローブを一定量加えたものに、それぞれの患者の尿を一定量添加し、それぞれのサイトプローブの結合能の変化を比較すると、患者間でHSAやAGPの結合サイトの結合に差が見られた。本診断法は蛋白結合に影響する尿中物質の大小を推察できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)