2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞に於ける新規情報伝達システムの分子細胞生物学的解析
Project/Area Number |
22590189
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
竹田 扇 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (20272429)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 一次繊毛 / 神経細胞 / 神経膠細胞 / 情報伝達 |
Research Abstract |
本研究では神経細胞、神経膠細胞の一次繊毛がどの様な生理的機能を担っているかを解析し、次の4つの結果を得た。1.神経膠細胞の一次繊毛がshhを受容して細胞内カルシウム振動数を変化させ、一部はnestinを発現して幹細胞様の細胞に脱分化することを明らかにした。またその情報伝達機構を解析した。2.脈絡叢上皮細胞 (CPEC) からの一次繊毛の単離を行い、プロテオーム解析をすることで、神経膠細胞の一次繊毛に発現されている分子を同定することに成功した。3.アストロサイトの一次繊毛がヘッジホッグシグナル関連分子を発現し、その活性化はストレス環境下での細胞生存率を高めることを明らかにした。4.Schwann細胞 (SC) にも一次繊毛が存在することを明らかにし、その発現が時期特異的であることを示した。また、その際に機能するヘッジホッグシグナルは、デザートヘッジホッグ (Dhh) であることを解明した。 以上の結果から、一次繊毛を介した情報伝達系が広義のグリア細胞 (脈絡叢上皮細胞、アストロサイト、Schwann細胞) に於いて様々な機能を遂行している事が明らかとなった。今後は今回の研究で進行が遅れている神経細胞の一次繊毛での機能解析を行うことが必要である。しかしながら、その周囲を取り囲み数も多いグリア細胞との相互作用という観点から新たな情報伝達系を模索することが、高次脳機能の解明に繋がると期待される。また、脈絡叢上皮細胞の一次繊毛のプロテオーム解析から得られた情報は、今後の繊毛情報伝達系の解明の基盤として重要になるばかりではなく、繊毛の分子進化を考察する上でも有用であると考えられる。これらの結果は4編の英文原著、1編の編著書、1編の和文論文として発表し、3回の学会発表として報告した。また、読売新聞全国版に研究紹介記事が掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)