2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590231
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 潔 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10157349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 茂夫 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40124797)
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Keywords | CD40L / プロスタグランジンE2 / シクロオキシゲナゼー2 / 血管内皮細胞 / 脳 / 血小板 / 発熱 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の2年目にあたる。初年度は赤血球および血小板に由来する内因性発熱物質を探索するためのマウス実験系を確立した。本年度は血小板由来のサイトカインの一種であるCD40Lを脳室内に投与し、その発熱性と発熱関連分子の誘導を調べた。 1.マウス脳室への薬物投与:マウスをフォーレンで麻酔しCD40L(1μg/2μl)を頭皮上から側脳室に投与した。 2.体温測定:マウス腹腔に体温テレメータを留置し無拘束下で体温を測定した。CD40上投与により体温上昇が観察された。 3.脳組織中のプロスタグランジン E2 (PGE2)の測定:CD40L投与後4時間でマウスをペントバルビタール麻酔し、左心室から10μMのインドメタシンを含む生理食塩水を潅流した。脳の凍結切片をインドメタシン含有エタノール中で粉砕し、遠心後エタノール相を採取した。PGE2のELAはサンプル数が蓄積して実施する予定である。 4.脳組織におけるcyclooxygenase(COX)の免疫組織化学による検出:凍結脳切片を10%ホルマリンで固定後、抗COX-2抗体、抗COX-1抗体で免疫染色を行った。CD40L投与群では内皮細胞にCOX-2様免疫活性が検出された。またCOX-1はミクログリアで検出された。 5.脳組織におけるCOXのwestern blotによる検出:未だ結果が不安定である。さらなる実験条件の検討が必要である。 6.側脳室への投与の際、大脳皮質にステンレスカニューレを刺入する。その刺入経路に沿って血管内皮にCOX-2が誘導された。しかしカニューレの刺入だけでは発熱は起こらなかった。発熱はCOX-2の誘導部位と量に依存することを示唆する。ステンレスカニューレの刺入によりCOX-2を誘導する因子は不明である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血小板由来分子のCD40Lの発熱性と発熱関連因子の誘導が確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
CD40Lに関するデータを蓄積する。 CD40L以外の候補物質について、実験を行う。
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