2011 Fiscal Year Annual Research Report
Non-coding RNAによる組織形成の制御機構の解析
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22590266
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内島 泰信 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90272426)
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Keywords | non-coding RNA / micro RNA / 組織形成 / Dnm3os |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続いてはDnm3os KOマウスで認められた骨低形成等の異常が生じる仕組みについて明らかにするためにDnm3osから生成するmicro RNAのうち個別のmicro RNAをノックインした動物を作成した。しかし、KOにmiR-199をノックインした動物では表現型の回復傾向が認められたが、miR-214をノックインした動物では明らかな回復が認められなかった。これらのマウスでは所定の遺伝子座への組み込みは確認できたものの、micro RNAの発現量が少なかった。よって、miR-214の表現型への寄与については遺伝子発現量が多いクローンを得て評価する必要があると考えられた。標的遺伝子の検索については野生型マウスとKOマウストランスクリプトーム解析を実施した。Dnm3oSの発現が確認できる胎仔からRNAを得てDNAチップにより解析を行ったところ多数の遺伝子で発現量に変化が認められたものの、主要シグナル経路に関連する遺伝子で2倍を超える変化を示すものは少なく、定量的なRT-PCRを実施しても再現性を取れるものはなかった。Micro RNAは転写よりも翻訳に変化をもたらすものがある。よって、本研究の標的遺伝子を明らかにするにはタンパク質量の変化を網羅的に解析することが必要と考えられた。データベースから選定した標的遺伝子の候補については特にSirt1について解析を行った。Sirt1は上述したmicro RNAについて複数の予想配列を含んでいたが、ルシフェラーゼ遺伝子の3'側にこの配列を組み込んでマウスP19細胞で発現させ、活性の減少を指標に測定したところ減少傾向が認められたところから標的の一つであると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Dnm3os KOマウスにmicro RNAを全部あるいは個別にノックインした動物の作成は成功し、組織形成にmicro RNAが関与することを明確に示すことができたが、トランスクリプトーム解析ではmRNA量に大きな変化は認められなかった。また、データベースで予測された標的遺伝子についても統計的に有意な変化は観察されておらず、標的遺伝子の特定には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
Dnm3osがコードするmicro RNAは同時に数多くの遺伝子を標的にして発現量を微調整し、それが組織形成などの表現型に繋がっている可能性が考えられた。この場合、単独遺伝子を発現したライブラリの検索では標的遺伝子の同定は困難と考えられたので、SILAC法などを用いたタンパク質量の網羅的な解析を加えられるよう調整している。
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Research Products
(9 results)