2012 Fiscal Year Annual Research Report
Non-coding RNAによる組織形成の制御機構の解析
Project/Area Number |
22590266
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内島 泰信 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (90272426)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | noncoding RNA / miR-199a / miR-214 / 形態形成 / 骨形成 / 心筋傷害 |
Research Abstract |
申請者らはncRNAの形態形成への関与を明らかにするためにncRNAであるmiR-199a、miR-214等をコードするDnm3os遺伝子をノックアウトしたマウスを作製した。本マウスは体躯が小さく、骨格の形成不全や筋肉組織の低形成が認められた。そこで、ノックアウトした遺伝子座にRMCE法を用いてmiR-199a、miR-214を単独または同時にノックインした動物を作製した。ノックインにより各miRの発現が確認されたが、両者をノックインした場合にのみ骨格の形成不全等の異常な表現型の回復が確認されたが、単独のノックインでは明確な変化が見られなかった。よって、組織形成にそれぞれのncRNAが重要な役割を果たすこと、特に骨組織の形成に寄与することが明確となった。これらのncRNAの標的遺伝子を同定するために薬剤二重選択マーカを利用した遺伝子ライブラリを構築し、P19細胞で発現して検索を行ったが、顕著な変化を示す遺伝子は特定できなかった。この結果はmiRの作用が多数の遺伝子を標的として弱い程度に発現抑制することで発揮されるという知見に一致するものと考えられた。ところで、miR-199aとmiR-214は心臓疾患との関連が示唆されている。筆者らの研究グループでは心臓と血管系でETAR遺伝子が発現し、これらの組織の発生にETAR陽性細胞が寄与していることを明らかにしている。そこでこれらのncRNAの遺伝子をETAR遺伝子座にノックインし、心毒性が知られるドキソルビシンの投与による心筋傷害モデルにおいて表現型を解析した。その結果、両者のノックインにより心筋の線維化抑制等の組織保護作用が確認された。よって、ncRNAが病態に関与する可能性が示唆された。そして、本研究で用いた遺伝子ノックインを利用した研究の方法論が発生研究のみならず病態解析を推進するための基盤として有用であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)