2012 Fiscal Year Annual Research Report
がんの悪性化におけるWntシグナルのモデュレータの役割について
Project/Area Number |
22590282
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内田 和彦 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90211078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島居 徹 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80235613)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 腎がん / 肝がん / Wnt / siRNA / 浸潤 |
Research Abstract |
これまで明らかにした腎がんのWntシグナルのモデュレータタンパク質について、どのようなメカニズムで細胞のがん化とがんの悪性化を引き起こすのかはわかっていない。本研究では、これらの因子と相互作用するタンパク質やこれらの因子の下流で発現の変化する新規の遺伝子やタンパク質を同定することで、がん化とがんと悪性化についての新しい分子機構を明らかにする。本研究では、がんの悪性化におけるWntシグナルの前述のモデュレータタンパク質が、腎がん以外のがんでも重要であると考え、どのようにシグナルを制御し、がん化とその悪性かにかかわっているかについて培養細胞を用いたin vitroの解析やプロテオミクス技術を駆使した血清タンパク質の解析を行うことで、新規分子標的タンパク質やバイオマーカーの同定を行った。 Wntシグナルのモデュレータタンパク質である膜タンパク質のCTHRC1タンパク質の解析については、CTHRC1に対するポリクローナル抗体を用いた肝細胞がん組織における発現を解析したところ、肝細胞がん組織に高い発現が認めら、腎がんにおいても浸潤する癌組織の先端細胞において高い発現が認められた。CTHRC1に対するsiRNAを複数種類の肝細胞がん細胞に導入し、CTHRC1ノックダウンや過剰発現ベクターを構築して同様に肝細胞がんへ導入する過剰発現によって、その生理的機能を検討し、細胞増殖に促進的に働くことを明らかにした。LC-MS法を用いたプロテオミクス解析において、網羅的タンパク質解析の構築を行ったが、CTHRC1などのよな新規のがん関連タンパク質を見いだすところまでは至らなかった。本研究により、膜表面下にあるCTHRC1がWntシグナルをモジュレ-トすすることでがん細胞の増殖、悪性化を促すことが明らかになり、今後の研究により肝細胞がんにおける抗がん剤の分子標的候補になることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)