2011 Fiscal Year Annual Research Report
非浸潤性乳癌における性ホルモン作用の解明:内分泌療法の更なる向上をめざして
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22590305
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 貴 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10261629)
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Keywords | 非浸潤性乳癌 / エストロゲン / 応答遺伝子 |
Research Abstract |
本研究課題に関する、平成23年度の主な研究成果は以下の如くである。 1.非浸潤性乳管癌(DCIS>におけるエストロゲン応答遺伝子の発現意義の解析 昨年度行ったマイクロアレイ解析の結果をもとに、c-MYB,RbAp46,survivinという3つのエストロゲン応答遺伝子の発現を、DCIS53例及び浸潤性乳管癌(IDC)27例を用いて、免疫組織化学的に検討した。その結果、いずれもDCISにおいて有意に高発現しており、c-MYBはDCIS症例においてKi67と逆相関を示した。survivinは高齢者のDCISで高発現していた。昨年度の結果とあわせると、DCISにおけるエストロゲン作用はIDCとは異なっており、DCISにおいては、c-MYBの細胞増殖抑制作用、RbAp46によるエストロゲン作用の修飾、survivinの抗アポトーシス作用などが重要と考えられた。これらの研究成果を現在欧米誌に投稿中である。 2.ERエストロゲン受容(ER)陽性閉経後DCIS患者におけるアロマターゼ阻害剤の有効性の解析 昨年度開始したUIN CTR臨床試験登録(UMIN 000003101)を平成23年12月31日で終了した。 合計12例の登録が得られたので、来年度に解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DCISにおけるエストロゲン応答遺伝子の解析では大変有意義な研究結果を得ることができ、計画以上の進展と考える。DCIS患者に対する解析は、患者登録に想定以上の時間を要したが、来年度中に解析を終える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、UMIN CTR臨床試験(UMIN 000003101)に登録された12例に関し、「非浸潤性乳癌組織における性ホルモン濃度の検討」、「非浸潤性乳癌における性ホルモン応答遺伝子の発現と内分泌療法に対する意義」等を解析する。
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