2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590314
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河内 茂人 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80284511)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 功典 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80116722)
|
Keywords | 肺癌 / アレイCGH / ゲノム不安定性 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
本研究課題の研究助成決定が平成22年度後期となったため、研究開始時期が6ヶ月程度遅延した。したがって本来、平成22年度の研究計画で、22年度半ば頃から予定していた肺癌ゲノムDNAのアレイCGH解析を、平成23年度初旬から施行し現在も一部継続中である。また、アレイCGHの方法はほぼ研究計画で記載した方法に沿って行なった。すなわち、術前治療を受けていない肺癌患者から外科的に切除された肺癌凍結組織材料より抽出された癌ゲノムDNAを用いて、約50例の解析を終了した。用いたアレイターゲットスライドは、バクテリア人工染色体(BAC)から抽出したヒトゲノムDNAを4200個のターゲットとして、スライドガラス上にスポットとして貼付けたもので、一度の操作で全ゲノム領域のDNAコピー数増減の解析が可能である。さらに平成23年度中盤から肺癌ゲノムDNAコピー数異常解析と平行して、DNAメチル化アレイ解析法のうち全ゲノムDNAメチル化の網羅的解析が可能であるMI醐1法を用いて、癌の発生進展に関与する遺伝子(群)のDNAメチル化異常を全ゲノム領域に渡り網羅的に解析する方法を試みた。しかし、当初の想定外に費用のかかることが判明し、急遽もうひとつのゲノムDNAメチル化網羅的解析技術であり、より経済効率の良いメチル化DNA免疫沈降-チップ解析法(MeDIP-chip法)を採用した。MeDIP-chip法は以下の工程からなる。(1)制限酵素によるサンプルゲノムD単断片化、一部を分取保存[imputサンプル]、残りを抗メチル化シチジン抗体免疫沈降法によりメチル化DNAの濃縮[IPサンプル]、(2)IPサンプル、imputサンプルにそれぞれ異なる蛍光を標識し、ターゲットアレイにハイブリダイゼーション、(3)蛍光像を取り込み、IPサンプルの蛍光強度が増加しているローカスをメチレーションが増強しているものとして評価する。現在、MeDIP-chip法を4例の肺癌ゲノムDNA検体について施行し、概ね信頼性に足る結果を得ている。今後は委任経理金、他の研究助成金等も活用し、当初の研究目標である網羅的な肺癌ゲノムDNAコピー数異常ならびに網羅的な遺伝子プロモーターメチル化の解析により、肺癌の発生進展機構の詳細な解析とその成果の臨床応用をめざす。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の研究助成決定が平成22年度後期となったため、研究始時期が6ヶ月程度遅延した。また、サンプルゲノムDNAメチル化の網羅的解析法として予定していたMI酬王法が想定外に費用のかかることが判明し、MeDIP-chip法に変更したためサンプルゲノムDNA解析の開始時期が遅延した。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、MeDIP-chip法を4例の肺癌ゲノムDNA検体について施行し、概ね信頼性に足る結果を得ている。今後は委任経理金、他の研究助成金等も活用し、当初の研究目標である必要数の肺癌症例における肺癌のゲノム網羅的DNAコピー数異常ならびにゲノム網羅的遺伝子プロモーターメチル化の解析により、肺癌の発生進展機構の詳細な解析ならびにその成果の臨床応用を達成する。
|