2012 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部肉腫の転移と抗癌剤耐性に関わるアクアポリン分子種の同定と分子機構の解明
Project/Area Number |
22590323
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アクアポリン / 骨肉腫 / 軟部肉腫 / 浸潤・転移 / 細胞増殖 / 細胞移動 / 遺伝子導入 / 自然転移動物モデル |
Research Abstract |
平成23年度の研究から明らかとなった aquaporin (AQP)-1及び -5の軟部肉腫の肺転移と生命予後への関与に関し、複数の樹立ヒト軟部肉腫細胞株を用い、トランスフェクションによる遺伝子強制発現とsiRNAを用いた発現抑制による細胞増殖、移動、浸潤能と転移への AQP-1と-5の関与を in vitroならびにin vivoレベルで検証し以下の結果を得た:1.AQP1を発現しない HT1080線維肉腫細胞とSKN平滑筋肉腫細胞株への AQP1遺伝子強制発現は、細胞増殖への影響は認めないが、細胞偽突起形成を促進させるとともに、細胞移動と浸潤能を亢進させた。2.AQP1を高発現する NRS-1横紋筋肉腫細胞株へのsiRNAによる発現抑制は、細胞移動と浸潤能を低下させた。3.AQP5を発現しないHT1080への強制発現は、細胞増殖能を亢進させた。細胞移動と浸潤能も軽度亢進したが増殖能亢進による影響と考えられた。細胞偽突起形成など形態変化は認めなかった。4.AQP5を高発現するSKN平滑筋肉腫細胞株でのsiRNAによる発現抑制は細胞増殖能を低下させたが、移動能ならびに浸潤能への有意な変化はなかった。5.ヌードマウスを用いた自然転移モデルにおける検討で、AQP1遺伝子強制発現 HT1080細胞は、MOCKあるいは遺伝子導入をしない親株と比較し、細胞接種部での浸潤性増殖を促進させるとともに、肺転移形成数を有意に増加させた。 以上の結果から、AQP1遺伝子発現は細胞移動能・浸潤能の亢進を介して、AQP5は増殖能の亢進を介して、軟部肉腫の浸潤・転移に関わることが明らかになった。さらに、AQP1による細胞移動と浸潤能の亢進には、細胞偽突起形成の促進を介することも明らかになった。AQP1ならびに AQP5は軟部肉腫症例に対する新規進展阻止法の確立に向けた有望な分子であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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