2012 Fiscal Year Annual Research Report
大動脈解離の発症機序におけるNa+/Ca2+交換体の関与
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22590325
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂田 則行 福岡大学, 医学部, 教授 (20134273)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 急性大動脈解離 / Na+/Ca2+交換体 / 中膜平滑筋細胞 / エラスチン / コラーゲン / プロテオグリカン / アポトーシス / 血行力学的因子 |
Research Abstract |
Na+/Ca2+交換体(NCX1)とアポトーシス関連蛋白の免疫組織化学的検討:手術で得られた大動脈組織を10%緩衝ホルマリンに固定し、パラフィン連続切片を作製した。抗NCX1抗体、抗cleaved caspase 3 抗体、抗cleaved actin抗体を用いて免疫染色し、光顕および免疫組織化学的に観察した。急性解離(AD)例の大動脈中膜には弾性線維の断裂部が観察され、その部の平滑筋細胞には核と細胞質が濃縮した細胞がみられた。この部では、免疫組織化学的にcleaved caspase 3 またはcleaved actin陽性の細胞が出現していた。しかし、NCX1陽性平滑筋細胞は、弾性線維の断裂部に関連なく大動脈中膜全体に認められた。解離大動脈壁の力学特性の評価と壁構成成分との関連:急性解離(AD)群(スタンフォードA型、8例、71.2±12.0歳)と剖検で得られた非解離正常(NC)群(8例、71.5±11.1歳)の上行大動脈から動脈硬化性病変のない動脈壁を採取した。標本を2片に分け、1片は単軸伸展試験機にかけ、応力―ひずみ関係を調べた。他の1片はパラフィン包埋後、連続切片を作製し、Picro-Sirius染色とMovat染色を施行した。それぞれ、1mm幅の血管壁画像をコンピューターに入力し、デジタル画像ソフトを用いて、壁全面積に対するエラスチン、コラーゲン、プロテオグリカンおよび平滑筋細胞の占める面積の割合を算出した。壁伸展性を応力50KPaのひずみ量で比較すると、AD群のひずみ量はNC群に比べ有意に高かった。エラスチン量はAD群でNC群に比べ有意に低下し、プロテオグリカン量は有意に増加していた。一方、コラーゲン量と平滑筋細胞量については両群間に差が見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)