2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590332
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
矢崎 正英 信州大学, 医学部, 准教授 (70372513)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 分子病理 / アミロイドーシス / トランスサイレチン / 家族性アミロイドポリニューロパチー / アミロイド線維融解 |
Research Abstract |
本研究の目的は、肝移植後家族性アミロイドポリニューパチー(FAP)患者における組織沈着アミロイド融解機序を明らかにすることである。今回の研究では、その事象が、他臓器でもおこるのかどうか、アミロイド線維融解の機序の解明を主題としている。本年度は昨年度に引き続き、FAP患者の胃十二指腸生検組織を解析し、当研究期間の3年間で計40名の患者の解析を施行し、アミロイド沈着量の定量、野生型・変異型トランスサイレチン(TTR)のアミロイド線維構成比を検索した。19名の肝移植後患者のうち6名では、肝移植前後で検体を採取できたため、沈着量の推移とアミロイド構成比について比較検討した。アミロイド沈着量は、0(沈着なし)、1(軽度)、2(中等度)、3(高度)の4段階にスコアリングした。この6名の胃粘膜アミロイドの沈着量の検索では、移植前の平均スコアが1.9±0.8で、肝移植後が1.5±0.71と、有意な変化は認められなかった。アミロイド線維中の野性型TTRの構成比は、移植前が20.0±11.4%で、肝移植後では43.2±13.8%と有意に野生型TTRの比率は上昇していた。肝移植前あるいは、肝移植未施行患者21名の沈着アミロイド解析では、野生型のTTRの構成比は23.8±14.3%で、肝移植後患者では72.7±25.5%と、肝移植後患者で有意に野生型TTRの構成比が高かった。肝移植後のみ生検を施行した19名の患者では、移植後経年数にほぼ比例して、野生型TTRの比率が上昇していた。以上の結果を考察すると、肝移植後も沈着アミロイドは、野生型TTRの沈着と、変異型TTRと野生型TTRの両者の融解が常に繰り返され(amyloid turn-over)、アミロイドが減少していく、いわゆるamyloid regressionがFAPの脂肪組織以外でも起こりうることを明らかにできた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|