2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロプロテオミクスによる細胞内と微小環境におけるC型肝炎ウイルス制御因子の解明
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22590350
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
江角 真理子 日本大学, 医学部, 准教授 (10147019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉谷 雅彦 日本大学, 医学部, 教授 (40187654)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 感染制御 / 微小環境 / レーザーマイクロダイセクション / プロテオミクス / ウイルス量 / 細胞膜セリンプロテーゼ / TMPRSS2 |
Research Abstract |
1 肝臓組織のレーザーマイクロダイセクション 非癌部慢性肝炎の肝組織を肝硬変の有無により症例を分け、さらにそれぞれについて、ウイルス量が100以下と40000-100000の2群に分類した。HE染色像を参考にして、ヘマトキシリン染色切片より実質および間質をみきわめ、マイクロダイセクションを行った。 2 LC-MS/MSの定量解析 肝硬変のない慢性肝炎組織で、実質より間質優位の発現を示すタンパク質が見つかり、さらにウイルス量の違いでそれらの発現量が異なるタンパク質が同定された。また実質についても、ウイルス量の違いで発現が異なるタンパク質が同定された。間質および実質ともウイルス量の多い方に,ウイルス制御活性と関連するタンパク質が多くみいだされた。 3 ウイルス量の違いに関連する分子の機能解析 既にみいだしていた高ウイルス群で有意に発現亢進する遺伝子細胞膜セリンプロテアーゼTMPRSS2について、野生型と変異型遺伝子を用い安定型発現株Huh7を作製した。これらについてJFH1 HCVに対する感染感受性を検討した結果、一部の野生型遺伝子株で感染フォーカスが増えることをみいだした。一方、Huh7細胞に発現する細胞膜トリプシン様プロテアーゼをリアルタイムRT-PCRでスクリーニングし同定した。その中から3つのプロテアーゼに対しsiRNA実験を行いJFH1 HCV感染性の変化を検討した。その結果、いずれのプロテアーゼを抑えても、感染感受性が低下することがわかった。細胞膜セリンプロテアーゼがウイルス感染とくに初期のウイルス侵入に関与する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記項目2のレーザーマイクロダイセクションサンプルのLC-MS/MS解析について、現有設備のLCが不調のため測定が滞ってしまった。外部施設に協力をお願いして一部測定を開始している状況である。そのほかは順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記LCトラブルの解消を急ぎ、また外部施設での測定も考慮し、LC-MS/MS解析を進める。と同時に,既にみいだしたウイルス量に関連するタンパク質群から、ウイルス制御に結びつく反応系やそれを構築する因子を決定するため、候補タンパク質の検証を複数症例において行う。さらに検証されたタンパク質については、培養細胞ウイルス感染実験系でその機能を明らかにする。
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[Journal Article] High TSC22D3 and low GBP1 expression in the liver is a risk factor for early recurrence of hepatocellular carcinoma2011
Author(s)
Takagi K, Takayama T, Nagase H, Moriguchi M, Wang X, Hirayamagi K, Suzuki T, Hasegawa H, Ochiai T, Yamaguchi N, Kochi M, Kimura M, Esumi M
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Journal Title
Experimental and Therapeutic Medicine
Volume: 2
Pages: 425-431
Peer Reviewed
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